KG Go Global From CIEC

交換留学を経験した愛果さんとそれを支えたご両親に、CIEC職員が、留学を決めた経緯や留学先での学び、帰国後に感じたことなどをお伺いしました。

Family Voice 留学編

写真左からCIEC職員 姜安娜さん、長瀬愛果さん、母・訓子さん、父・昌彦さん

留学や渡航の「準備」も、一人の大人として成長する貴重な機会

姜 愛果さんが留学を志した理由を教えてください。

愛果 中学生の頃、2番目の姉がアメリカに留学したことが留学に興味を持ったきっかけです。語学力だけでなく、多角的に物事を考える力と自信を手に入れた姿はとても輝いて見えました。もともと幼少期は父の仕事の関係でタイに住んでいましたが、「一人で海外に飛び込むことで、こんなに成長できるんだ」と感じ、私も挑戦したいと思ったのです。

姜 ご両親は愛果さんが留学を考えていると知り、どのように思われましたか?

父 姉2人とも留学経験があるため、興味をもったのは自然な流れだったと思います。ただ、末っ子ということもあり、「本当に大丈夫かな?」と心配していたのが本音ですね。

母 同じく不安も感じましたが、「行くなら1年行ってみたら」と勧めた記憶はあります。その分、成績要件は厳しくなるので、後は本人の頑張り次第だと考えていました。

姜 不安なお気持ちもありつつ、愛果さんの希望を尊重して背中を押されたんですね。愛果さんは、念願だった留学に向けてどのような準備をされたのでしょうか。

愛果 1年の夏から、学内での無料受験の機会を活用してTOEIC®︎やTOEFL®︎を受けましたが、必要なスコアには足りなくて。友人の助言でIELTSTMに切り替え、基準点を上回ることができました。大学図書館で英語学習のための本を何冊も読破したほか、独学でオンライン英会話を毎日受講していたことも功を奏したのかもしれません。また、留学準備の一環として、関学に来た留学生をサポートするオリエンテーションサポートチーム(OST)や、KGバディーズの活動にも参加しました。

姜 OSTは来日した留学生の各種手続きのサポート、KGバディーズは1セメスターの間、バディとなる留学生と交流する制度ですね。どのような点が準備に活かせましたか?

愛果 OSTでは、日本に来て間もない留学生が直面する不安や生活面の課題を知ったことで、「自分もしっかり対策しないと」と思わされました。活動の中で私の留学先の大学に行った先輩と出会い、具体的な情報を聞けたのも有意義だったと思います。

姜 その他にも、大学のプログラムやサポートで役立ったものはありますか?

愛果 CIECの職員の方に相談できる個人面談ですね。特に留学先選びについては、「治安や世界情勢、どのような環境が勉強に集中しやすいかも含めて考える必要がある」とアドバイスいただき、とても参考になりました。

姜 それは良かったです。ご両親は、留学準備に関してサポートされたことはありますか。

父 実は当時、私たちは海外駐在していたので、ほとんど何もしてやれなかったんです。ビザの取得から航空チケットの手配、国際送金に至るまで、全ての手続きを一人でやり遂げたことには正直驚きました。

母 相談された時は都度アドバイスしましたが、本当によく一人でやったなと思います。手伝えない環境だったことが、結果的に成長につながって良かったのかもしれません。

学内での国際交流を通じて留学で得た力をさらに磨く

姜 入念に準備して臨まれた留学ですが、現地ではどのようなことを経験しましたか?

愛果 学業の面では、「関心のある学びを深める」「幅広い分野に触れて視野を広げる」という2つの目標を立てていました。実際に、興味のあった社会学・人類学分野を重点的に学びながら、様々な授業を履修。関学でダンスサークルに所属していることもあり、体を動かしながらコミュニケーションできたダンスの授業は特に楽しかったですね。現地大学のダンスサークルにも入りたいと思ったのですが、留学生が参加できる団体がなく、自分で立ち上げることに。手続きは専門的な単語も多く苦労しましたが、友人や先生方の力を借りて、無事成し遂げることができました。

姜 得意分野を活かした挑戦をされたことで、留学がより豊かなものになったんですね。海外生活は経験されていたとはいえ、初めての環境で戸惑ったことはありましたか。

愛果 実は、到着早々コロナに感染してしまって。寝込んでしまい大変でしたが、現地の職員の方が気にかけてくださったり、同じ寮の留学生が食べ物を差し入れてくれたりして、人の温かさを感じました。かつ、24時間サポートしてくれる関学指定の保険に加入していたので、安心感はありましたね。他にも寮生活の中で多少のトラブルはありましたが、それも含めていい経験になったと思います。

姜 スタートから大変な思いをされましたね。ご両親は、留学を通して愛果さんの成長を感じた部分はありますか。

母 最初は、途中でギブアップするかもしれないと思っていたんです。でも、様々な壁を自分で乗り越える姿を見て、自立した大人になってくれたと感じました。特に、渡航準備やトラブル対応を一人で乗り切ったことが本当に勉強になったように思います。その過程で、「自ら行動を起こす力」と「人に頼る力」が身についたのではないでしょうか。

姜 確かに留学に行く学生の皆さんを見ていると、困難に立ち向かう経験が成長につながると感じます。さらに愛果さんは帰国後も、カナダの大学生と関学生が協働するCCC(Cross-Cultural College)プログラムや、関学に来た留学生と共に授業を受けるKGU Summer Schoolなど、学内での国際交流にも積極的に挑戦されましたね。

愛果 留学で培った力を活かしたいと思い参加しました。CCCプログラムは、カナダに留学するコースもありますが、私が選択したのは学内で行われるコース。来日したカナダの学生と共に、NPO法人から提示されたビジネス課題に対する解決策を考え、プレゼンテーションを行いました。ビジネス英語には苦戦しましたが、留学時の経験を踏まえて「分からないことは分からないと意思表示する」ことを心掛けた結果、カナダの学生と関学生の橋渡しができたように思います。とはいえビジネスの中身については理解しきれない部分も多く、父に相談したこともありました。

父 ビジネス視点での助言はしましたが、話を聞いて、そんな難しいことに挑戦しているんだと驚きましたね。

愛果 KGU Summer Schoolでは、北米からの客員教員の授業を受講しました。留学生に比べて関学生の受講者は少数で、海外留学と同じような環境に身を置くことができる点が魅力でした。愛媛県でのフィールドワークにも赴き、伝統文化体験や工場見学を通して、留学生と交流を深めることができました。

姜 関学では学内での国際交流の機会も豊富に用意しているので、うまく活用してくださり嬉しい限りです。ご自身の経験を踏まえ、留学やグローバルな学びに関心がある関学生に伝えたいことはありますか。

愛果 私は留学やCCCプログラムなどを通して、自ら行動する主体性と、異なる背景をもつ人々と共に課題解決に向き合う力が鍛えられました。思い切って一歩踏み出せば必ず学びがあるので、皆さんもぜひチャレンジしてほしいと思います。「失敗できる学生のうちに何でもやってみたら」と母にもよく言われますが、「全然できなかったな」と思うのもいい経験になりますから。本当に、留学に挑戦させてくれた両親には感謝しかありません。

姜 ありがとうございます。最後にご両親から、お子さまの留学を検討されている保護者の方々へのメッセージをお願いいたします。

父 不安もあると思いますが、親の想像を上回る成長が待っています。お子さんを信じて送り出してあげてください。

母 良い経験も壁にぶつかる経験もどちらも大事ですし、その両方があるのが人生です。目の前の課題をどう打開していくかを子ども自身が考える貴重な機会なので、ぜひ背中を押してあげてほしいと思います。