約20名という多くはない部員数ながら、それぞれの個性を生かし、協力し合って英語劇の上演や英語礼拝の運営を行う英語部。その代名詞とも言える、脚本から全て自分たちの力で創り上げる作品には熱い思いが込められていた。
部員全員で力を合わせ、良い作品作りに情熱をかける。
下里 亜葵
Shimosato Aki
関西学院中学部
3年生
英語部部長。部全体のまとめ役として、活動計画の策定やスケジュール管理、予算の相談など様々な仕事を担う。初等部の授業で英語に興味を持ち、より深めたいと考え入部した。
白羽 美織
Shiraha Miori
関西学院中学部
3年生
英語部副部長。初等部時代に英語劇を観て、生き生きとした演技に魅せられ、英語部に憧れを持つようになった。生徒会にも所属し、宗教総部長も務めている。
竹内 絵麻
Takeuchi Ema
関西学院中学部
3年生
英語部マネージャー。幼少期を海外で過ごした経験を活かし、脚本の英訳に一役買う。昨年度、全国の中高生を対象とした英語スピーチコンテストで3位を受賞した。
呉 楓
Go Kaede
関西学院中学部
1年生
2023年6月に英語部に入部。家族でカナダを訪れた際に、色々な国の人と話してみたいという思いを持つように。目標は英語礼拝の司会を務めること。
英語に親しみ、生きた英語力を身につける。
英語部の活動について教えてください。
下里メインの活動は英語の劇や人形劇の上演です。脚本、大道具、演出など部員全員で協力し、全て自分たちで作り上げます。英訳も帰国子女の部員や、英語が得意な部員を中心に全て自分たちで行っています。披露の場は文化祭や年に3~4回ある全校英語礼拝、地域の教会や福祉施設、初等部など。主な題材は聖書や昔話の教えですが、文化祭では命やプロセスの大切さなど広いテーマを扱い、約1年前から構想を練って、20分間のオリジナルストーリーを上演します。
竹内英語劇以外では、全校英語礼拝の司会や運営も英語部に任されています。その他にも、海外の方と交流したり、クリスマスやハロウィンにはお菓子作りやパーティーをして異文化に親しんだり、様々な活動ができてとても楽しい部活です。
英語部に入部したきっかけを教えてください。
白羽初等部にいた頃に英語部の劇を観たことがきっかけです。観客に寄り添うような心温まるストーリーと、感情のこもったセリフや表情に感動し、英語部で演劇がやりたいと思いました。英語部に入部し、初等部で劇を上演した時には、憧れていた活動ができていることに、感慨深い気持ちになりました。
呉元々英語に興味があって、仮入部に参加したことが決め手になりました。親切な先輩が多く、和気あいあいとした雰囲気が流れていて、ここでなら楽しく活動できそうだと感じました。
竹内私も仮入部で感じた顧問の先生や先輩後輩の距離の近さに惹かれて入部しました。学年や英語力の差による隔たりや競争が全くなく、皆で純粋に英語を楽しめる環境が気に入っています。
下里英語部は本当に仲が良くて、先輩方は中学部を卒業してからもよく部に顔を出してくれます。私が入部したきっかけは、初等部の授業で英語が好きになり、もっと深めていきたいと考えたことでした。活動を通じて、くだけた日常会話やジョークに触れ、授業では学べない表現を学べるのがとても楽しいです。
一人ひとりの力が成功につながる。
活動の中で苦労したことはありますか。
白羽2年次の英語礼拝で上演する劇の脚本を任されたことです。初めての脚本づくりは想像以上に大変でした。特に記憶に残っているのは、先輩に脚本を見ていただく会議の時のこと。多くの意見が寄せられ、慌ててしまい、自分の思いを伝えることさえできず非常に落ち込みました。そんな時に顧問の先生がかけてくれた「辛い気持ちにも逃げずにしっかり向き合えば、きっと強くなれる」という言葉は今も心に残っています。その言葉や周囲からの励ましに支えられ、なんとか書き終えた脚本は大好評。英語礼拝以外でも上演される作品になりました。大きな達成感を得られ、苦労は無駄じゃなかったと感じています。
下里私は部長になって、部をまとめることの難しさを感じました。個性豊かな人が集まり、それぞれが劇への情熱を持っているため、意見がぶつかることがよくあります。細かい部分までこだわるため話し合いの機会も多いのですが、就任当初はどう進めれば良いのか戸惑うばかりでした。現在は各々の意見をよく聞き、それぞれの意思を尊重しながら、折衷案を見つけることを心がけています。個性を生かしながら、皆で作り上げるからこそ、良い作品ができた時の喜びは大きいです。
竹内部の運営はやはり難しいですね。私がマネージャーをしていて悩んだのは、入部したての1年生の活動についてです。入部直後は劇の準備の手伝いがメインになるのですが、ただ雑用をさせられているという感覚ではなく、何かやりがいを感じてほしいと考えていました。また、やる気のある人や得意な人にだけ仕事が偏らないようにしたかったので、一人ひとりに明確な役を割り振りました。
呉僕は大道具担当で、人形劇の金の斧の制作を任されました。工作は得意ではありませんが、先輩や同級生からアドバイスをもらいながら制作しています。初めてつくった大道具が綺麗に仕上がった時は嬉しかったです。
竹内協力して進めてくれていることで、準備がスムーズに進み、とても助かっています。
支え合いながら活動しているんですね。活動の中でやりがいを感じる瞬間や英語部の魅力について教えてください。
下里劇を観に来てくださった方から反響があった時に最もやりがいを感じます。特に劇に込めたメッセージが伝わっていたと感じられた時は非常に嬉しいです。
白羽観ていただけているとも思っていなかった先生から劇の仕上がりを褒められた時には、驚くと同時に頑張って良かったと感じましたね。また活動を通じて、周りを見る力が身につきました。劇では客観的に状況を把握し、臨機応変に対応することが求められます。何度も練習と本番を重ねるうちに、自然と場に応じて動けるようになりました。
竹内英語部で人前に立つことに慣れたのは大きな財産だと思います。劇はもちろん、英語礼拝の司会などの経験を積んだことで自信をもって話せるようになりました。英語部で身につけた話し方の工夫や表現力は、昨年度参加したスピーチコンテストの場でも生きたと感じます。また英語部の活動を通じて、英語の魅力も再認識しました。先日アメリカから来た合唱団の方々と交流した際には、初めて会った海外の人とも意思疎通ができて、こんなに楽しめるのだと感動しました。
呉僕も英語は世界の人と繋げてくれる素晴らしいものだと思っています。家族でカナダに行った際に、日本とは全く違った環境で、世界には色々な場所があるのだと実感しました。英語部でもっと英語力を磨き、様々な国の人と話してみたいです。
最後に中学部の魅力や好きなところについて教えてください。
竹内文化祭や体育大会など行事を全力で楽しめるところが好きです。規模の大きさも魅力ですが、何よりクラス全員で一致団結して盛り上がれるのが楽しいと感じます。
呉施設が整っているところも良い点だと思います。僕が特に好きなのは図書館です。本の種類が多く、これまで読まなかったジャンルの本も手に取るようになりました。
下里先生方のサポートも手厚いです。様々なことに積極的に取り組める環境が整っています。部長に任命され不安を感じていた時、先生に助けられました。
白羽多種多様な部活があるところも魅力ではないでしょうか。多くの選択肢から好きなことを選べ、全力で集中できる環境はとてもありがたいと感じます。