Advanced K.G.

We Are KWANSEI

2019年度より文部科学省指定事業であるWWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業の事業拠点校として探究型授業を展開。SDGsの達成をめざし、Mastery for Serviceを体現する世界市民の一員として、国内外の社会に自ら関わり貢献できる力を探究型授業を通じて身につけることを目標としている。

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足元から考え、社会とつながって、次の一歩を踏み出す。

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佐竹 結衣
Satake Yui

関西学院高等部
3年生

ハンズオンラーニングを受講。原子力を軸に探究活動を行い、全国の高校生が集う発表会で最優秀賞を受賞した。持続可能なまちづくりに貢献したいという思いから、建築学部に進学予定。

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長谷川 純冴
Hasegawa Azusa

関西学院高等部
2年生

AI活用を受講。デジタル化が進む現代における人工知能との向き合い方について考えてみたいという思いから本プログラムを選択する。

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片岡 衣麻里
Kataoka Imari

関西学院高等部
2年生

グローバルスタディを受講。大気汚染について探究している。正課内外で、様々なことに挑戦しており、文化祭ではオープニングを飾るプロジェクションマッピングを作成した。

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宮﨑 夏生
Miyazaki Nao

関西学院高等部
1年生

グローバル探究BASICを受講。中学生の頃、SDGsに興味を持ち、探究型授業に惹かれ、関西学院高等部に進学した。現在はジェンダーに関する探究を行っている。

関西学院高等部での、多様な人々との交流から得られる新たな発見。

それぞれが受講しているプログラムについて教えてください。

佐竹2年生の頃から、3つの探究型必修選択授業のうちの1つであるハンズオンラーニングを受講しています。ハンズオンラーニングは教室を出て社会に学ぶ授業です。3年次では「平和」をテーマとして、原子力に焦点を当てた探究活動を行ってきました。授業では戦争経験者の方や、関西原子力懇談会の方の出前授業などを通じて知識をインプットし、グループでの探究活動を通じてアウトプットをしています。長期休みには長崎や福井にてフィールドワークも行いました。

片岡私はグローバルスタディを受講しています。海外の学生との交流やNGO団体の方の講演を通じて、国際問題やSDGsについて考える授業です。また同時並行で各々が設定したテーマについて、手段も含めて自分で検討しながら探究を進めます。私のテーマは「自動車の排気ガスによる大気汚染」。エコカーに注目して調査しています。

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長谷川私が受講しているAI活用では、AIやデジタル技術を用いて社会課題を解決する方法について考えます。2年次では様々なデジタル技術の活用方法について検討するグループワークやプログラミング演習を通じ、技術を実社会で役立てる考え方を養ってきました。実際のケースを学ぶため企業を訪問することもあります。3年次では、これまでの学びを生かし、AIを使ったビジネスプランを策定。全国の中高生が探究活動の成果を発表するクエストカップへの出場をめざします。

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宮﨑グローバル探究BASICを受講しています。SDGsについて理解を深め、グループでのテーマ学習やフィールドスタディを通じて探究活動の基礎を養う授業です。私たちのグループは「日本の女性がより活躍するために高校生の私たちにできること」をテーマに、ジェンダー・ギャップ指数が1位のアイスランドと日本を比較しながら、解決策を探しています。

活動の中で特に印象に残っているエピソードについて教えてください。

片岡Zoomを用いたインドの学生との交流です。活発な議論を通して、家庭内にもジェンダー格差が存在することなど、情報媒体では分かり得ないインドの現状について知れました。リアルタイムで遠く離れた国の人と話す経験は、世界中で様々な人が同じ時間を生きていることへの実感を与えてくれ、世界が抱える課題への関心を高められたと感じます。

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長谷川関西学院大学の巳波弘佳教授のゼミ生と共に、実際にAI制御を行ったことが印象に残っています。AIの得手不得手が理解でき、具体性のあるAI活用法が考えられるようになりました。専門的に学んでいる大学生と連携しやすいのは一貫教育の利点だと思います。

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宮﨑私は関西学院高等部の先輩にお話を伺いました。アイスランド留学の経験者に、現地の暮らしやジェンダーに対する考え方について教えていただいたのですが、トイレさえ性別で分けないほど、ジェンダーの垣根がないというお話を聞き、非常に驚きました。今後はアイスランドの高校の先生にも連絡を取り、取材を実施する予定です。2年次では実際に現地でフィールドワークを行いたいと考えています。このプログラムでは、ほかにも、ANAホールディングスに取材するなど、高等部を飛び出して様々な人とつながれる機会が多々ありました。新鮮な体験ができ、非常に面白いです。

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佐竹多様な方々との交流からはたくさんの気づきが得られますよね。私は長崎県での高校生平和大使の方から聞いた「平和の対義語は『無関心』」という言葉が忘れられません。たとえ答えは出なくても、歴史や現代の課題を自分事として考え続けることが平和構築のために不可欠であると実感しました。3年次に取り組んだ探究活動も、プログラムでの経験を語る上で欠かせないものです。私たちは、原発の立地地域から離れた兵庫県に住む高校生の原発に対する無関心さと、そうした高校生に関心を持ってもらう方法について探究したのですが、この調査には非常に苦労しました。特に大きな壁となったのが、全校で行った意識調査です。統計の知識もない中、莫大なデータを処理するには大きな労力が必要でした。何度も挫けそうになりましたが、先生の手も借り、話し合いを重ねて、懸命に取り組んだ結果、日本原子力文化財団と電気事業連合会が共催する課題研究活動支援事業で最優秀賞を受賞することが出来ました。評価されたことが嬉しかったのはもちろん、最後までやり遂げたことに達成感を得られました。

片岡佐竹さんたちが実施されていた意識調査についてはよく覚えています。規模の大きさに驚いたとともに、私も挑戦してみたいと感じました。

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意見を交わし、考えを巡らせる中で多角的な視点が鍛えられる。

それぞれ貴重な経験を積まれていますね。活動を通じて身についたことはありますか。

宮﨑校外の人とのコミュニケーションの取り方が分かりました。高校生の段階で、社会人の方と関わる際のマナーや、連絡やアポイントメントの取り方などについて学べる機会はなかなかないと思います。

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長谷川人前で話すことが得意になったと感じます。活動を通じて、どんなに良いアイデアでも頭の中にあるだけでは不十分で、他者に内容が伝わって初めて成立するものだと学びました。また、様々な角度から物事を見る力も養われました。社会課題を解決する方法を考えていると、解決策が新たな課題を生んでしまうことがあります。実際に何かを行う時にも、メリット・デメリットの両方を考え、そのアクションが与え得る影響について念入りに検討したいです。

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佐竹私も活動の中で多角的な視点の重要さを実感する場面が多かったです。原発に対して様々な意見をお伺いして、一度納得したことが覆されるという経験が何度もありました。1つの側面のみに目を向けることの危うさを知ったため、他の場面でも様々な立場に立って考えるようにしています。

片岡発表の場での質疑応答でも、異なる視点によって、新たな学びが得られました。他の生徒からの鋭い質問に気づかされることや、他の生徒の発表から自分の発表に生かせる部分を見つけることがよくあります。また、回を追うごとにお互いの発表に対する意見や質問が本質を突くものに変化していき、新しい視点を与え合える場になっていきました。また、プログラムをきっかけに身近な社会問題へ目を向けられるようになりました。自分の手で何かしたいと考え、現在は子ども食堂の手伝いや、自然災害で汚れてしまった写真の洗浄などのボランティアに参加しています。

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関西学院高等部の良いところについて教えてください。

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宮﨑自分が興味を持ったことを突き詰められる点です。環境としても大学図書館が利用できるなど、知りたいことを学びやすいと思います。

長谷川大学受験の必要がないため、勉強以外の活動にも力を注ぎやすいです。探究活動はもちろん、課外活動についても先生が積極的に応援してくれます。

佐竹私も長谷川さんと同意見です。校外のコンテストだと参加者のほとんどが2年生以下だったのですが、私たちは高校生活の最後の最後まで探究活動に全力を注ぐことができました。

片岡私は生徒がそれぞれの個性を発揮できるところが好きです。関西学院高等部では、みんなが同じであることではなく、それぞれが違うことが良いとされています。各々が自分の意見を持っていて、深い議論ができる、居心地の良い環境です。