Advanced K.G.

We Are KWANSEI

文理5学部(理学部、工学部、生命環境学部、建築学部、総合政策学部)を擁する神戸三田キャンパス。多種多様な研究室がある中、生命環境学部の藤原研究室は医療や産業にも役立てられる微生物の研究に取り組んでいる。

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探究心あふれる同志が集い新たな発見を求め続ける。

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藤原 伸介
Fujiwara Shinsuke

関西学院大学
生命環境学部
生物科学科
教授

専門は微生物学・生物工学。超好熱菌からカビまで、あらゆる微生物を対象に研究を行っている。

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八尾 海稀也
Yao Mikiya

関西学院大学
生命環境学部
生物科学科
4年

微生物の特殊成分を利用した抗菌剤の研究に取り組んでいる。人と関わることが好きなことから卒業後は製薬会社の営業職として勤務予定。

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前川 和葉
Maekawa Kazuha

関西学院大学
生命環境学部
生物科学科
4年

超好熱菌に関する基礎研究を行っている。卒業後は、現在取り組んでいる研究を継続し発展させるため、大学院に進学予定。

微生物研究の面白さに魅せられて。

藤原教授の研究分野について教えてください。

藤原90℃以上でも生育する超好熱菌を中心に微生物研究を行っています。微生物の面白さは1つの細胞の中に高等生物の全てが凝縮されている点。また生息環境の多様性も微生物ならではです。微生物は人間の生活圏にもいれば、特殊な環境にもいます。中でも超好熱菌の生きる酸素のない高温環境は、生命が誕生した環境にも近い環境です。したがって超好熱菌は現存生物の中で最も原始生物に近く、調査を進めることで生命の起源に迫れると言えます。また最近はPCR検査への活用で注目を集めました。ある超好熱菌の酵素が、RNAからもDNAからもDNAを合成する能力を持っていました。実はこの酵素の性質が明らかになったのは10年以上前のこと。開発以来冷蔵庫で眠っていた酵素が、コロナ禍により時を経て日の目を浴びました。

お二人が藤原教授の研究室を選んだ理由を教えてください。

前川研究室所属前に受けた藤原先生の講義で微生物に興味を持ったことがきっかけです。また、実験系の研究室であることも決め手の1つ。中学生の頃から実験が好きで、大学では本格的に取り組みたいと考えていました。

八尾私は自然に囲まれて育ったことから、もともと自然や生物の分野に関心があり、大学では生物に関する研究がしたいと考えていました。中でも藤原研究室を選んだのは、研究室所属の院生の方からお伺いした、微生物に対して抗菌剤が与える影響についての研究の話が非常に面白かったからです。

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苦労を共にすることで築かれる研究室ならではの絆。

お二人が取り組んでいる研究のテーマと概要を教えてください。

八尾研究室所属のきっかけにもなった抗菌剤の研究を行っています。黄色ブドウ球菌など有害な微生物の繁殖を防ぐ抗菌剤を、超好熱菌だけが持つ特殊な分子で作成する研究です。現在用いられている抗菌剤の中には人体に悪影響のあるものも。安全性が高く、時間が経つと自然に分解する抗菌剤の開発が目標です。

前川八尾さんが行っているのは、既知の事柄から生活に役立てる手段を検討する応用研究。一方で私が行っているのは未知の事柄を探る基礎研究です。研究の題材は、超好熱菌。超好熱菌のDNAは高温でも変性しません。それはある特殊な保護分子に守られているからなのですが、私はその分子を生合成する酵素を探しています。この酵素は未知の存在であるため、可能性は無限大です。この研究により、超好熱菌の活用の幅が広がることを期待しています。

藤原研究室の魅力について教えてください。

八尾発表の機会が多く、意見交換が行いやすいため、相手に伝える力が身につくと共に、自分の考えが深まりました。また、学年関係なく助け合えることも魅力の1つです。藤原先生も、どの学生に対しても分け隔てなく接し、積極的に話しかけてくださるので、質問したり助言をいただいたりしやすい環境が整っていると感じます。

前川藤原先生はお忙しい中でも親身に相談に乗り、的確なアドバイスをくださる面倒見の良い先生です。また1つの結果に対して私には思いつかないほど様々な角度から考察される点や、固定観念にとらわれず実験を進めている点など、研究者としても尊敬しています。

藤原学生に対しては厳しい接し方を心掛けています。二人の世代はコロナ禍で実験経験が少ない世代なので、特に丁寧に指導しました。これまでは低年次に実験経験を積み、足りない部分は研究室の先輩に教わることが基本でしたが、コロナ禍において実験は動画で代用することに。研究室は人数制限がかかり、教え合うこともできなくなりました。

前川今では先輩に教わる代わりに、研究室で実験器具の使用方法に関する動画を制作し、器具の横にQRコードを貼ってすぐに参照できるようにしています。動画には何度も見直せるなどの利点があります。コロナ禍では苦労もありましたが、良い面を組み合わせて、効率化を図りたいです。

藤原様々な工夫によって、学生たちが安全に研究に打ち込める環境を整えていきたいです。

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協力して研究に臨まれているのですね。研究室のメンバーはどのような存在ですか。

前川毎日顔を合わせる研究室のメンバーは苦労を共にする仲間です。藤原研究室は他の研究室に比べても進捗報告会が多いことから、スピーディーに研究を進めなければならず、決して楽ではありません。そのような中で、それぞれの研究内容を把握して助言し合うなど、支え合ってきたことが強い絆につながっていると思います。

八尾頑張っている人がそばにいることで、自分も頑張れる。自然とお互いに高め合える関係が築けていると感じます。

お二人の将来の目標を教えてください。

八尾卒業後は、製薬会社に就職し、MRとして働く予定です。まずは社内外で信頼を得られる人材になりたいです。

前川私は大学院に進学し、現在の研究を続けます。その後は研究職として就職したいです。当初は食品業界や化粧品業界に興味を持っていましたが、研究を進める中で、薬品業界や化学メーカーにも興味がわいてきました。

藤原教授からお二人と関学生へメッセージをお願いいたします。

藤原関西学院大学は文理融合やAIなど時代の流れに敏感かつ柔軟に対応できる大学です。その環境を存分に生かしてほしいですね。そして、社会に出た際に求められる人材になってください。仕事が増えることは評価されているということです。仕事に積極的に臨み、忙しく過ごしてほしいと願っています。明るく、物事に前向きな二人になら、きっとできるでしょう。