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就職活動座談会
目標をもって就職活動を行い、希望の企業の内定を獲得した先輩方に、
体験談や活動する中で見つけた就職活動のコツについてお話を伺いました。
写真左から前中さん、福田さん、岸本さん
就職活動は、自分としっかり向き合うことが大切
いつ頃から就職活動を始めましたか?
どんなことから始めたか教えてください。
岸本 先輩から早めに就職活動を行うようアドバイスをいただき、3年生の5月頃に始めました。夏季インターンシップの募集開始時期だったので、応募に必要なエントリーシートの作成から着手。選考がないものや1日で完結するものも含め、約15社のインターンシップに参加しました。人材業界やインフラ業界など、幅広い業界のインターンシップに参加し、様々な企業の社風や事業内容を知れたので、夏は業界や企業を絞りすぎず、多くのインターンシップに参加して良かったです。
前中 私もインターンシップの応募から就職活動を始めました。活動を始めた時期は3年生の春頃。年齢の近い関学出身の姉がおり、家族全員が就職活動に関心が高かったこともあり、早めに動き出しました。最初はやりたいことが定まっていなかったので、直感に従って、名前を知っている企業のインターンシップに応募。選考を通じて、エントリーシートの書き方や面接の受け方が研究できたと感じます。ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)は、実際に面接を受けたことでブラッシュアップできました。2つの学位の取得をめざしている話をしていたのですが、制度説明に時間を要し、強みのアピールにつなげられていないことに気づきました。自分の強みの根拠として活きるよう、話の構成を見直したところ、面接官の反応が好転。重要な発見ができたと感じました。
福田 3年生の7月に交換留学から帰国し、10月頃から少しずつ活動し始め、12月頃から本腰を入れました。開始時期が周囲と比べて遅いことに焦りもありましたが、しっかり時間を割いて自己分析を行ったことが納得のいく内定先に巡り合うための鍵になったと感じます。生まれてから現在までのことをノートに書き、その時に感じたことや考えたことを洗い出し、自分の価値観を見つめ直しました。さらに、母や友人にノートを見せ、客観的な視点で質問やコメントをもらうことで、自分では認識していなかった強みや個性にも気づけました。
岸本 私も同じように自己分析を行いました。その結果、自分の強みが行動力であることや、それを活かせるのは他者を否定しない環境であることが分かり、企業選びの軸が築けたので、この方法はこれから自己分析に取り掛かる人にすすめたいです。
前中 キャリアセンターの個人面談も自己分析に役立ちます。カウンセラーの方と一対一で話すことで、自分の強みや弱みを客観的に把握できました。豊かな社会経験を踏まえたアドバイスや、前職での経験談も聞けたのがありがたかったです。
選考を経験してみることや、自己分析が重要なのですね。
志望業界や企業はどのように選びましたか?
岸本 これまでの経験を振り返った際に、大学2年生の頃にハンディキャップのある子どもをサポートするボランティア活動に大きなやりがいを感じたことを思い出し、困難な状況にある人を支える仕事がしたいと考えました。該当する仕事は多数あるのですが、なかでも損害保険業界を第一志望としたのは、神戸市出身で幼い頃から阪神淡路大震災について学んでおり災害時の支援に関心があったからです。第一志望業界をメインに就職活動を進め、企業に関しては、インターンシップや選考などを通じて感じた社風を重視して選びました。
前中 私はなかなか志望業界が絞れず、秋以降も様々な業界のインターンシップに参加していました。秋以降のインターンシップは複数日程にわたり、課題も多いため、負担が大きいものもあります。一方で、実務に近い体験ができるのが利点で、業務に対する理解が深められ、自分の興味や適性を見極めるのに役立ちました。そのうち特に面白いと感じた総合商社やデベロッパー、コンサルティング業界を志望するように。いずれも多様な人・市場の橋渡しをする仕事であり、自分は多くのステークホルダーを調整しながら、1つの目標を達成することに関心があるのだと気づきました。
福田 業界を絞らず、留学先のスペインの大学で学んだマーケティングの知識や、語学力を活かせる企業を探しました。まず、バイリンガルを対象とした就職支援を行う企業が主催するイベントに参加。グローバル人材を採用したい企業が集まっており、本選考への案内も受けられます。いただいた選考の機会を活かして社風や企業の価値観を見定め、自分が生き生きと活動できるような自主性や個性を重んじる風土のある企業に絞って応募していました。
一人で活動せず、周囲を頼り、支え合うことが成功につながる
選考に臨む際に、対策として特に力を入れたことを教えてください。
福田 キャリアセンターで何度も模擬面接を行っていただきました。職員の方は多数いらっしゃるのですが、同じように受け答えをしても人によって反応が違ったことが印象に残っています。良い反応をもらえた時の言い回しのポイントや、いただいたアドバイスはメモを残し、見直すことで、全ての人に良い印象を与えられる話し方ができるよう改善していきました。右も左も分からないまま就職活動を始めたので、キャリアセンターの方には本当にお世話になりました。
岸本 重要だったと感じるのはOB・OG訪問です。OB・OG訪問用のアプリを活用し、お会いした方は20名以上。快く対応してくださる方ばかりで、なかにはエントリーシートの書き方の指導など、選考のサポートをしてくれた方もいました。最初は緊張しますが、相手の方に興味をもって積極的なコミュニケーションを心がけることが大切だと思います。
前中 OB・OG訪問の場では、自分のスキルや経験、入社後のビジョンを具体的に伝えることで、面接時に活きるフィードバックを得られることが多かったです。実際に働いている方のお話を聞くことで、企業の文化や詳細な業務内容について知れるため、志望理由の具体化にも役立ちました。
岸本 その他、グループディスカッションの対策には就活イベントを活用していました。難関企業を志望する学生を対象としたイベントには、レベルの高い参加者が集まっており、勉強になります。グループディスカッションを行った経験がほとんどない中、思い切って参加したので最初は苦労しましたが、回を重ねるごとに上達しました。また、筆記試験の勉強は早めにはじめ、少しずつ計画的に進めることをおすすめします。勉強せずに挑んだ夏インターンシップの選考で、複数の企業の筆記試験に落ちてしまったのは苦い思い出です(笑)。
最後に就職活動で印象に残っていることを教えてください。
前中 インターンシップの課題が非常に大変でした。複数日程にわたるインターンシップでは、グループで課題に取り組み、発表するプログラムが多いのですが、インターンシップの時間内で終わらないような量の課題が出ることがあります。本選考に直結している場合もあるため、全員が一切手を抜かず全力で取り組んでおり、時には徹夜することもありました。共に厳しい課題を乗り越えたグループメンバーとの交流は今でも続いており、いつも良い刺激をもらっています。
岸本 私も就職活動を進める中で、良い友人に巡り合えました。就職活動で出会う学生は、一般的にはライバルであるイメージをもたれるかもしれませんが、実際には就職活動を乗り越える仲間のような存在です。学校も超えて、同じ志をもった友人に出会える場は貴重で、こうした縁は就職活動を通じて得られた財産だと思います。
前中 友人が頑張る姿を見ることで、励まされた場面も多かったです。また、就職活動の支えとしては家族の存在も大きかったと感じます。両親や姉は社会人の先輩でもあるので、実践的で役立つ助言をたくさんくれました。選考が立て込む時期は、本当に忙しかったのですが、生活面でも全面的にサポートしてくれたので、集中して臨むことができたと感じます。家族の期待に応えたいという思いは原動力にもなりました。
福田 私の両親は、私が口出しされるとやる気がなくなってしまう性格であることをよく理解して、何も言わず見守ってくれたのがありがたかったです。一方で、面接の前など、話し方や内容に問題がないか確認してほしい際には、練習にも付き合ってくれました。振り返ると、家族はもちろん、友人やキャリアセンターの方など、多くの方に支えてもらったと感じます。就職活動は個人戦ではなく、団体戦。周囲の方の助けも得ながら、進めていくことが大切だと思います。