Advanced K.G.

We Are KWANSEI

今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で修学旅行やイベントが中止となった初等部。そんな中でも、スクールモットー「Mastery for Service( 奉仕のための練達)」を体現し、一人ひとりが大きな成長を遂げている。

We Are KWANSEI

学年を超えた交流が想像力・創造力を育み
他者を思いやる精神へと成長する。

We Are KWANSEI

辰巳 佳祐
Tatsumi Keisuke

関西学院初等部
6年生

常に人を思いやる優しい心の持ち主。1年生の頃から憧れていた音楽会の合奏では、マラカスを担当した。

We Are KWANSEI

貝塚 莉万
Kaitsuka Rima

関西学院初等部
6年生

好きな聖句は「喜ぶ人と共に喜び、泣く人とともに泣きなさい。」人に寄り添うことを大切にしている。

We Are KWANSEI

鈴木 武司
Suzuki Takeshi

関西学院初等部
教諭

生活指導を担う学事主任。児童と向き合う際には「なぜそうしなければならないのか」を伝えるように意識している。辰巳さん、貝塚さんには5年生の時に国語を教えていた。

子どもたち同士の関わり合いが、思いやりの心をつなぐ。

まず、鈴木先生から初等部の学びの特徴や魅力について教えていただけますか?

鈴木初等部教員の研修テーマは「関わり合いの質を高める」。教員と子どもたちはもちろん、子ども同士の関わり合いを大切に、一方通行ではない相互関係を大事にした授業に取り組んでいます。例えば、学びには知識をインプットすることと、自分の考えをアウトプットすることが大事になりますが、発言が苦手な子は自分にインプットするだけの授業になってしまいます。そこで「みんなの前で発表するのが苦手なら隣の人に話してみよう」という「ペアトーク」を授業に取り入れています。また、同じ考えの子と自由に話すことを「フリートーク」と呼び、この2つを実践することで、教員の話を聞いているだけではなく、児童同士でコミュニケーションが取れるように工夫しています。

辰巳さんと貝塚さんは、学校で何をしている時間が好きですか?

辰巳僕は授業の時間です。みんなが学びに集中している空気感が好きです。友だちの意見を聞くと、その子がどんな考えを持っているのかを知ることができるし、自分と違う考えが参考になることもたくさんあるからです。普段はあまり話さない人ともペアトークやフリートークで意見交換ができるのも楽しいです。

貝塚私は友だちと話をしたり、遊んだりしている時間が好きです。一人ひとり個性があって、同じ人なのに話が合うときもあれば、違う意見になることもあるので、話していると楽しいです。友だちと一緒に過ごしていると時間が経つのが早くて、ずっとこの時間が続くといいなと思います。

We Are KWANSEI

鈴木先生から見て、関学初等部にはどのようなお子さんが多いと感じますか?

鈴木柔軟性があり、いろんな意見を持っている子が多いと思います。環境に恵まれ、1年生から様々な経験ができるからこそ、いろんな考え方が学べるようになるのだと思います。

辰巳さんと貝塚さんの印象はいかがですか?

鈴木貝塚さんが一人でいる姿はほとんど見たことがありません。常に誰かと一緒にいて、笑顔が絶えない子です。辰巳くんは5年生で担任を受け持ちました。当時はかわいい印象だったのですが、自分の考えをしっかりと持つようになっていて、この1年で大きく成長したと感心しています。

初等部では6年生が1年生の面倒をみるとお聞きしました。おふたりは1年生のときにお世話になったことを覚えていますか?

貝塚はい。1年生と6年生がペアになって行く「仲良し遠足」はとても楽しかったです。お弁当を一緒に食べたり、私が走り回って疲れたらお茶を渡してくれたり、お世話してもらって嬉しかった記憶があります。

辰巳僕は通学で同じ方面の子が少なくて心細かったのですが、6年生が一緒に帰ってくれて、とても安心したことを覚えています。朝も教室まで来てくれて、用意を手伝ってくれたこともありました。

鈴木初等部の伝統として、6年生は1年生の手助けをし、範を示します。1年生はお兄さんやお姉さんの姿を見て憧れ、自分が6年生になったときは1年生に優しくしてあげたいという気持ちが生まれます。現在はコロナ禍で行動が制限されていますが、限られているからこそ丁寧にやろうという考えが子どもたちにもあるようです。

コロナ禍で限られた機会だからこそ、心から楽しめる環境を。

We Are KWANSEI

おふたりにとって5、6年生はコロナ禍の影響も大きかったと思いますが、この6年間で一番の思い出に残っていることはなんですか?

貝塚去年の12月に行われた特別活動です。「リズム甲子園」「花火」「ナイトウォーク」などの催しがあって、特に「リズム甲子園」は手拍子や足踏みなど身体だけで音を出すダンスをグループごとに発表するものでした。とても楽しかったです。

鈴木彼らは修学旅行が中止になり、代わりの行事として夏休みに特別活動を計画していました。それも延期続きで、ようやく12月に開催することができたんです。とにかく子どもたちに楽しんでもらいたい、思い出に残ることをしてあげたいという思いでした。

辰巳僕は、6年生の音楽祭でやった合奏です。この音楽祭もコロナ禍の影響で、本来なら大学のステージに立つはずが、チャペルに変更となりました。でも、中止にならず、みんなで演奏できたことが本当に嬉しかったです。

心に残っている先生の教えはありますか?

辰巳3年生の時、小山先生に「本当の友だちとは何か?」を教えてもらったことです。いけないことをしている人に注意ができるか、その子のために自分が行動することができるか、つまり“Mastery for service”の関係をつくることだと学びました。

貝塚私は、西先生に教わった「人と話をするときは目でその人を見て、耳で聞いて、心で読み取る」というお話が一番心に残っています。お祈りの時間に集中できていなかった子がいたので、先生がこのお話をしてくれました。実際に西先生に教えてもらった通りに人の話を聞いてみると、内容を理解しやすくなったので、それから常に心掛けています。

鈴木当校では毎朝9時からお祈りの時間があります。チャペルに集まってお祈りをし、校長先生や宗教主事の先生の話を聞いて賛美歌を歌い、心を落ち着かせる時間です。1日を穏やかな気持ちでスタートさせる学びの環境や、集中して話を聞く習慣をつくることが、子どもたちの成長につながっているのではないかと思います。

中学校に行ったら頑張りたいことを教えてください。

貝塚バスケットボール部に入って、勉強と部活動を両立したいです。そして外部から新しく入学したお友だちにも積極的に話しかけてみようと思います。

辰巳クラブ活動を頑張りたいです。クラブ活動とは自らを鍛え、人に尽くすことだと思っていて、それはまさに“Mastery for service”につながっていると考えるからです。

最後に先生から、辰巳さんや貝塚さんのように、新たな環境へ羽ばたく児童へのメッセージをお願いします。

鈴木キリスト教の教えにおいて、大きなテーマである“愛”を常に意識してもらいたいと思います。友達、先輩・後輩、先生、保護者の方など自身が関わる様々な方への思いやりを忘れず、“愛”を体現できる人になってほしいです。