私のKG相関図

Vol.1 関西学院大学 Re.colab KOBE

自らの手で耕作放棄地を蘇らせる
能動的な活動が共感を生み、広がり続ける人と自然の輪

自然保全と環境問題に関する啓発に取り組むRe.colab KOBE

写真左から新井さん、池西さん、乾さん

Profile

社会学部 4年
乾 彩海さん

社会学部 3年
新井 颯真さん

社会学部 3年
池西 美咲希さん

Re.colab KOBE(以下リコラボ)の活動内容について教えてください。

リコラボは、若者に農業や環境問題への当事者意識をもってもらうことを目的に活動する学生団体。主な取り組みは神戸市にある耕作放棄地の開墾です。畑を作り、「リコラボファーム」と名付けました。週に1回以上、交代でファームを訪れ、農作物を育てています。

池西畑の周辺環境を守るため、竹林の整備や外来生物の駆除も行います。活動のフィールドは山に留まりません。海の豊かさを守るためのイベントや活動にも協力しています。

新井環境問題に関する発信も重要な役割の一つです。近年は、私たちの活動が注目を集め、農業やSDGsをテーマとしたシンポジウム等に呼んでいただける機会も増えました。「ワクワクの探求」を主眼に置き、様々なことに挑戦しています。

リコラボに入った理由を教えてください。

新井幼い頃に祖父母の農業を手伝うのが楽しかったことが心に残っており、農業に関心があったものの、ハードルの高さを感じていました。そんな中、入学直後に参加したボランティアEXPOで出会ったのがリコラボ。すぐに体験に行き、入会を決めました。

池西魅力を肌で感じられる体験は、入会を後押ししますよね。私も元々自然が好きでリコラボに興味を持ち、実際にファームを訪れ、生き物と触れ合える豊かな環境や熱意溢れる先輩の姿に惹かれました。

生き生きとした雰囲気はリコラボの特長の一つだと思います。私の入会のきっかけは、新入生オリエンテーションでのリコラボの先輩との出会い。活動について楽しそうに語る様子が印象的で、環境問題に関心があった私にとって、ぴったりな場所だと感じました。

農業は一朝一夕にはいかないもの。
活動の中でどのような時にやりがいを感じますか。

小鳥のさえずりが聞こえてきた時です。というのも、今は穏やかなリコラボファームですが、開墾前は地が荒れ、猛禽類が飛び合う環境でした。整備を進め、小鳥の餌になる虫が生息できるようになり、段々生態系が整って、ようやく今の姿に。未だに小鳥の声を聴くと感慨深い気持ちになります。

新井最近では絶滅危惧種のオオサンショウウオの卵まで観測できました。自然の再生を間近で見守れるのは本当に貴重な経験です。こうした具体的な変化を実感できることに大きな喜びを感じます。

池西農作物も開墾の成果を実感できるものの一つ。収穫まで至った時はもちろん、作物を活用することにもやりがいを感じます。昨年、西宮上ケ原キャンパスの近くにある甲山のマルシェイベントに参加しました。そこで、収穫したサツマイモを焼き芋にして販売。手作り野菜の美味しさや私たちの活動内容を購入者に直接伝えることができ、人と自然のつながりの輪を広げることができました。

団体名の由来にもなっていますが、人同士や、人と自然のつながりが希薄になる現代で、「リ・コラボ」させる=再びつながりを生むのは私たちの使命です。こうした思いのもと活動する中で、少しずつ共感が広がり、ラジオに出演させていただいたこともあります。貴重な経験ができて嬉しかったのはもちろん、メディアを通じた発信により、さらに多くの人とのつながりを創出できるという期待に胸が高鳴りました。

最後に、今後の展望について教えてください。

私は今年が活動できる最後の年になるため、後輩たちが楽しく活動できる、アットホームな環境づくりに努めたいと考えています。また、新入生の入会を促すためにも、活動の発信には引き続き注力したいです。

池西農業に終わりはありませんが、私たちは4年で卒業してしまうため、新しいメンバーの確保は重要な課題。ノウハウを受け継ぐ仕組みも整え、持続可能な団体にしたいです。

新井今後も人と人とのつながりを大切に、手を取り合ってリコラボファームを後世につなげていくことが私たちの最大の目標ですね。