Vol.1 関西学院大学 山口亮子ゼミ
主体的な学生が集い、
活発な意見の交流がなされる高め合いの場
熱心な学びが花開き、家族法をテーマとした6大学合同ゼミで1位を獲得
Profile
法学部
山口 亮子教授
法学部
法律学科 4年
三宅 修人さん
法学部
法律学科 4年
平尾 有理さん
法学部
法律学科 3年
西藤 薫実さん
法学研究科
博士課程 前期課程 1年
加茂田 航大さん
山口教授の研究分野について教えてください。
山口民法の家族法(親族法、相続法)、なかでも親権が専門分野です。子どもの権利の視点から、アメリカ法と比較しながら研究を行っています。
皆さんが山口ゼミに所属されたきっかけについて教えてください。
西藤家族を巡る諸問題について研究したかったからです。高校生の頃に参加したボランティアをきっかけに子どもと女性の貧困に興味を持ち、大学で詳しく学びたいと考えました。所属の決め手は説明会で生き生きと話す先輩方の姿。私も先輩方のようになりたいと感じました。
平尾私も先輩に憧れ、所属を決めました。説明会を学生が運営していたのが印象に残っています。勉強はもちろん、レクリエーション等にも手を抜かず学生主体で取り組む点が魅力的だと感じました。
山口2人が語ってくれたように私のゼミには、毎年自主的に動ける学生が多いです。仲が良く和やかな雰囲気で、学生同士の信頼関係が築けているため、それぞれがきちんと主張し、活発な議論ができます。
三宅私は1年次の時に山口先生の授業を受け、先生の良い意味で学者っぽくない親しみやすい人柄に惹かれ所属を決めました。アットホームで活気あるゼミの空気感は先生の持つ人柄によるものでもあると思います。
加茂田学部時代から大学院でも山口先生に師事しており、先生の高い知見と分析力を尊敬しています。ゼミに所属したきっかけは、家族法に興味をもったこと。法学部で学ぶ中で「法が社会を作る」と感じ、社会の最小単位と称される家族に着目して、法に作られた社会の姿を明らかにしようと考えました。
普段のゼミでの活動について、教えてください。
西藤3年次はディベートやグループでの判例報告などを行っています。家族法は近年特に変化の多い分野。現行の親族法や相続法にとどまらず、児童虐待やLGBTQなど幅広いテーマについて学べます。
平尾4年次のゼミでは個人で興味のある社会問題について発表し、グループで議論します。必ず鋭い意見や質問が出るので、発表を担当する時は毎回緊張します。
三宅自分では気づかなかった点を指摘されることが多く刺激的です。各々が自分の主張や考えを発表し、積極的な意見交換ができる貴重な場だと感じます。私は相続法制について研究しており、直近では世界各国の相続法制の比較を行いました。相続は誰もが人生において必ず関わるものであり、近年海外の諸制度に倣った大きな改正がなされている興味深い分野です。
取材・撮影に協力してくださった山口ゼミのゼミ生の方々
平尾私の現在の研究テーマは里親制度。日本には家庭で暮らせない子どもが4万人以上いますが、里親制度はあまり普及していません。この現状と課題について考察を進めており、12月に4年ゼミ生でフィールドワークを実施し、研究報告としてまとめました。
加茂田院ゼミでは山口先生と共に各々の研究を進める中で生じた疑問点などについて議論を行います。意識の高いゼミ生が集い、一つの意見に対し全員で真剣に向き合い、煮詰めていける理想的なゼミです。
山口学部ゼミでは大学時代にコミュニケーション能力を高めてほしいと考え、ディベートやディスカッションを重視。資料収集やチーム全員での報告資料の作成については特に丁寧に指導しています。院ゼミでは議論を通じて、私が分からないところを教えてもらうことも。充実した大変楽しい時間です。
2023年9月の6大学合同の対抗ゼミ討論会に3年生が出場し、1位を受賞されています。どのような発表を行われましたか。
合同ゼミ当日の様子
西藤共同親権をテーマに発表しました。現在、日本では単独親権制度を採用していますが、私たちはDVなどのリスクや子どもの利益、世論といった点を考慮し、単独親権を原則とした共同親権導入を訴えました。
山口合同ゼミは6年前から開催しています。毎年山口ゼミの学生は熱心に課題に取り組んで好成績を収めており、2023年は上智大学を抑え、学生票・教員票ともに1位を獲得しました。堂々とした発表で、細かいところまで理論が詰められ、質疑応答もしっかりしていた点が評価されたのだと思います。ゼミ生全員で綿密な準備を重ねた結果です。
西藤質疑応答では難しい質問もありましたが、ゼミでの経験を活かし、様々な想定問答を用意したことで迅速に説得力のある返答ができました。また、ディベート等で養われた様々な立場に立って物事を考える力も大いに役立ったと感じます。
山口ゼミで学生を指導していると、確かな成長を感じます。少人数で、教員や他の学生と近い距離感で学べるのはゼミの魅力。ぜひゼミで学び、学んだことをもとに、社会において現状を変えるため、積極的に行動してほしいと考えています。