学生時代の学びを胸に
人々の暮らしに寄り添う
「よきモノづくり」を実践
様々なシーンで暮らしを支え、長きにわたって愛され続ける花王の製品ブランドに魅力を感じて
服部 在学中にマーケティングのゼミで産学連携の商品企画プロジェクトに参加した経験から、マーケティングに対する関心が強くなりました。自分が関わったモノやサービスが広く世の中に広がっていく、そんなダイナミックな活動を仕事でも実現したいと考えたんです。就職活動中に業界研究を進める中で、日用品や化粧品業界は顧客のニーズ探索から製品開発までじっくり時間をかけて取り組んでいることを知りました。このように、心を込めてモノづくりに臨める体制に共感し、この業界を志望しました。
花王は長きにわたり生活者に愛され続けるブランドとして進化を遂げてきた会社なので、そのブランド力にも魅力を感じて入社しました。
尾上 大学時代に留学した際、慣れない家事に奮闘した経験を通じて、慣れ親しんだ日用品がもたらす安心感を実感。それから、人々の生活の役に立つ仕事を志すようになりました。花王は日用品を扱う会社の中でも複数の商品カテゴリーを展開しています。様々な生活シーンにおいて、子どもから大人まで幅広い年齢層に寄り添うことができる事業内容に惹かれました。また自分の家の中の日用品を見渡した時に花王の商品が多かったことが入社を志望する決め手になりました。最初はとにかく多くの商品ブランドに携わりたいという思いがあったので、横断的にそれらを管理できる部署として、ブランドマネジメント開発室への配属を希望しました。
新商品発売までのプロジェクトや既存ブランドの更なる強化。そこに込めた熱意と挑戦
尾上 現在は、会社の資産である各商品のブランドを管理し、価値を最大化するための活動を行っています。主にWeb調査を通してブランドの評価を定期的に確認し、現在の強みや課題を見つけ、ブランド担当者が今後めざすべき方向性を提示します。分かりやすく言うと、ブランドの健康診断を行う部署。そのブランドが本当に理想の状態にあるのかを俯瞰でチェックするようなイメージですね。
社会人3年目の時、ある調査で、もともと強かった製品のブランド力が弱っていることが分かりました。様々な切り口で調査内容を精査した結果、ブランド横断の施策が減少したことやほかのブランドの台頭によって独自性が失われつつあることが要因だと分かりました。これらの結果を踏まえてブランド担当者と議論を重ね、今後の方向性を見直すことができました。間接的ではありますが、ブランドの育成に貢献でき仕事のやりがいを実感しました。
服部 私は現在ファブリックケア事業部で、アタックZEROのブランドを担当しています。商品開発、CM広告等のマーケティング戦略や戦術を考えるのはもちろんのこと、自身が中心となり生産・研究・デザイナー・営業・広告代理店・調査会社といった関連各所と協働しながら、売上の最大化につながるよう邁進しています。アタックは売上高が1,000億円以上あるブランド。手掛けたことが多くの生活者に届く影響力のある仕事です。「アタックZEROパーフェクトスティック」の発売に至るまでには、まさに私がめざしていた数多くのダイナミックな活動がありました。
1つ目は、商品を取り扱っていただく流通業者様向けの全国商談会において、推進リーダーとして全国各地を駆け巡りながら約50社に対して直接説明を行ったこと。新商品にどのような良さがあるかを、データを活用して納得感をもっていただけるようお話ししました。2つ目は商品発売前のメディア向けの新製品発表会。新聞社様やテレビ局様に注目してもらうためのポイントやストーリーを上司とともに練り上げていきました。3つ目は発売後のマーケティング活動です。CM制作やデジタル施策、サンプリングなどを通して、お客さまへの認知の浸透や売上拡大に奔走しました。
それぞれの過程で苦労もありましたが、新しいマーケティングを創造していく活動に携わることができ、とても貴重な経験となりました。
随所に息づく学生時代の学び。試行錯誤を重ねた日々が個性や強みにつながる
服部 在学中は、マーケティングゼミでの活動、社会学部での副専攻プログラム、野球サークルにアルバイトと充実した日々を過ごしました。中でも印象に残っているのは、冒頭にも話した産学連携プロジェクトへの参加です。就職活動に役立つWebコンテンツの開発、百貨店におけるデザート・お惣菜の商品企画、ブランド牛を使ったギフト商品の開発、どれも実践的で実りの多い活動でした。これらを通して学んだのは、マーケティングは体系的であり、論理や科学に基づく学問であるということ。そしてそれは実践的に活用してこそ身につくということです。得た知識を実際に使えるようになることが、学びにおける真のゴールであると理解しました。

尾上 私もゼミやアルバイト、2回の留学にサークル活動など多くのことにチャレンジした学生生活でした。ゼミで取り組んだテーマは、国際ビジネス。留学中に、文化背景が異なる人との意思疎通の難しさを痛感したことから、コミュニケーションに重点を置いて学びました。印象に残っている授業は「交渉学」。意見が対立する相手を説得する際に、相手がどのような考え方をしているのか、自分とどのように異なるのかを理解し、そのうえで最適なアプローチを考える力が養われました。
現在の部署でも、常に相手の考えを理解しようとする姿勢をもち円滑なコミュニケーションを心掛けています。ブランドに対する熱い思いがある担当者にこちらの話を聞いてもらうためには、相手が今どのように考えていて今後どうしたいのかをしっかり把握することが重要です。大学で学んだコミュニケーションに関する知識が活かされていると感じます。
今に生きるコミュニケーションを基盤とした“Mastery for Service”の精神
服部 関西学院大学には、周囲を巻き込みながら成果を創り上げることが得意な人が多い気がします。一言でいえば、「高いコミュニケーション能力」に収まるかもしれませんが、馴れ合いが上手いのではなく、何かや誰かのために集団で活動をすることの本質を分かっている人が多いです。“Mastery for Service”のスピリットが関学生には根づいているんでしょうね。
マーケティングは一人で完結する仕事ではなく、周囲を巻き込みながら進める仕事です。この点において、現在の職種では関学生として培ったコミュニケーション能力が活かされています。
尾上 ゼミの同期や留学時に出会った友人とは今でも交流が続いています。社会人になってからも皆が様々な業界で仕事に励んでいる様子が働くモチベーションに。関学生は芯が強く、やりたいことに向かって努力できる人が多いように感じます。そういった姿勢は周りに波及していくので、私もよい刺激をたくさんもらいました。
関学出身という共通項があれば一気に距離が縮まるのも嬉しいポイントです。入社直後、関学出身のある部門長の方に声を掛けていただいたことがあります。普段業務で関わることはない方ですが、お話しできてとても嬉しかったですし、心強さを感じました。

服部 入社から今に至るまでの10年間は、国内におけるマーケティングや営業を経験しましたが、今年からは香港へ赴任します。現在、花王は「グローバル・シャープトップ」を掲げ、地球規模で市場をみて、求められる価値を生活者にシャープに提供することを大切にしています。そういった方針のもと、グローバルマーケッターとして世界の生活者に求められる価値を提供できる人に、そして会社の成長を推進できるリーダーになりたいと考えています。
尾上 服部さんの海外での業務は、私の部署で現地の生活調査等を通してサポートする場面があるかもしれません。連携を深めていけたらいいですね。
私はブランドを支援する立場を経て、将来的にはブランド担当者としてその成長に携わりたいと考えています。1つの商品を考える際にも、常にブランドの方向性を意識し、一貫性のある活動を実践していきたいです。
在学中、3年生以降はコロナ禍で様々な活動が制限されました。しかし1・2年次に多くのことに挑戦したからこそ、自分が感じるやりがいや自身の強みを認識でき、今の私があります。将来の夢や目標が決まっていなくても、時間がある大学生のうちに、ぜひ多くの物事に挑戦してみてください。
服部 私が考える関学生に共通する魅力は、熱く人想いで、本質を見失わずに行動できること。だからこそ、在学中は人との関わりを大切にしてください。その中できっと自分の個性に気づけるはずです。そして、その個性を尊重し合い、高め合う、そんな素晴らしい環境が関西学院大学にはあります。
今勉強がうまくいっていなくても焦る必要はありません。何かに本気で取り組む姿勢や挑戦、それらを通して育まれる信念が人を大きく成長させる原動力になるのだと感じます。

東京都中央区日本橋茅場町一丁目14番10号
7,861名(2024年12月31日現在)
花王は「ハイジーンリビングケア」「ヘルスビューティケア」「ビジネスコネクティッド」「化粧品」の事業分野で、生活者に向けたグローバルコンシューマーケア事業を展開しています。また、「ケミカル」事業においては、産業界のニーズにきめ細かく対応した製品を幅広く展開しています。これらの事業活動を通じて、持続可能で豊かな共生世界の実現に貢献していきます。


