私もK.G.です IN THE COMPANY

“つながり”に支えられながら活躍する
国防のエキスパートたち。

島村:入省のきっかけは、ゼミの授業の一環で防衛大学校の幹部候補生の皆さんと安全保障についてディスカッションをしたことです。彼らと議論する中で、私自身も傍観者ではなく当事者として、平和のために行動したいと思いました。また、説明会や面接で出会った職員の方々が魅力的だったことも理由の1つです。男女関係なく誰もが挑戦する姿勢で仕事をしている姿は非常に印象的でした。

井上:私は大学卒業後に参加した、防衛省九州防衛局の業務説明会が契機になりました。親の実家が佐世保にあり、親戚に自衛官が多かったことから、防衛省と聞くと自衛官のイメージを強く持っていました。しかし説明会で、自衛隊施設周辺の整備も防衛省の職務に含まれるなど、思っていたより幅広い仕事があることを知り、興味を持ちました。

前田:直接国の役に立てることをしたいという想いはありましたが、具体的にどんな仕事に就けばいいのか悩んでいた時に、防衛省の語学専門職を知りました。国際学部で学んできた語学力を活かすことができ、国を守るというやりがいを感じられる仕事は、今の自分にぴったりだと感じ、入省を決めました。

島村:防衛省職員を志望する理由は本当に人それぞれです。ニュースをきっかけに安全保障に興味を持った人、歴史が好きな人、基地の近くに住んでいて自衛隊を身近に感じていた人など、全国各地から様々な考えを持った人たちが集まっています。多様なバックグラウンドを持つ人が集まっているのは、防衛省の良いところの1つですね。

島村:防衛省は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つことを使命としており、防衛政策の立案、外国政府との交渉・協議、国際情勢の分析、防衛装備品の取得など、様々な部署が政策の企画・実施を担っています。私は入省後1年間、自衛隊の運用の制度的・法的な側面に責任を持つ部署で勤務しました。そして、現在は、安全保障政策と国民の皆さんをつなぐ地元調整担当として働いています。日本の防衛は、自衛隊や米軍の駐屯地基地の周辺の自治体や地域住民の方々の理解と協力があって初めて成り立つものです。例えば、自衛隊基地を整備する時。戦闘機訓練時の音の状況を知りたいといった地元住民の方の疑問にお答えするために、デモフライトを実施して実際に体感していただくなど、地域の理解を得られるように様々な取り組みを行っています。「地元」という現場に日々向き合い、安全保障を実現していく仕事に誇りを感じています。

井上:主に沖縄での米軍の訓練移転に伴う輸送役務監督や追加経費に係る事務を担当しています。地方防衛局や部隊の責任者の方々と連携し、訓練に必要な物資などを滞りなく届けられているか、把握しながら業務を行います。訓練の移転が実現し、地域住民の方々の負担の軽減と在日米軍の抑止力の維持を両立できたときには非常にやりがいを感じました。

前田:私が所属する国際安全保障政策室は、「拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)」という、ASEAN全加盟国の国防大臣と域外8か国が参加する会議等の実施に向けた調整業務を担当しており、その中で相手国職員との調整、記録作成、翻訳業務等に携わっています。また、防衛省の仕事は様々な観点から安全保障政策や自衛隊の活動にアプローチするため、他課との連携が必須となり、若手の職員が他課との連絡調整係を担います。業務を両立することは大変ですが、円滑に進行した時は大きな達成感を得られますし、1年目ながら責任ある仕事を任せていただき、充実した日々を過ごしています。

島村:前田さんがおっしゃったように、防衛省では若手の職員が他課との連絡調整係を担当し、自分の課だけではなく他課、他省庁との関わりの中で様々な仕事を覚えていきます。総合職、一般職、専門職それぞれが職種を越えて全員で協力しながら仕事を進めていくので横のつながりができますし、幅広い業務を体系的に知られる良い仕組みであると感じています。

井上:本当に様々な課と関わる機会がありますよね。私の仕事では前田さんのような語学専門職の方にサポートしていただくことが多いです。輸送業務に携わる中で在沖米軍の訓練移転に係る部隊の責任者の方と会議をするのですが、私は英語が苦手で(笑)。語学専門職の方の力をお借りすることで、仕事を円滑に進めることができています。

井上:関西学院大学で得たつながりは、社会人となった今でも生きていて、例えば同じゼミだった友人とはよく連絡を取り合ったり、食事に行ったりしています。法学部の場合、地方公務員として地元に帰ってしまう人が多いのですが、中には国家公務員として東京で働いている仲間もいて、近い境遇の人とつながりがあるのはとても心強いです。

前田:私の場合、大学時代の友人の多くが東京で就職したので、1人暮らしが不安だった時もたくさん助けてもらいました。また、異なる業種の話を聞くことはいい刺激になります。それぞれの道で頑張っている同級生の姿を見ると、私も負けていられないと感じますね。

島村:井上さんとは、関学の若手向け同窓会「Kwansei Gakuin Youth Reunion」で初めて知り合いました。同じ防衛省職員だと知ったときは驚きましたが、今では省内でランチをして、同窓生ならではの話に花を咲かせています。同じ職場で働く関学生とお話できることはとても嬉しいですね。

井上:島村さんとの出会いは本当に偶然でした。同窓生で国家公務員として働いている人自体が少ないので、職場に年の近い関学出身者がいることを知った時は驚きましたが、今ではとても親しみを感じています。

前田:やはり4年間同じ場所で過ごした仲間がいると安心感がありますよね。省外でも、同じ関学出身の先輩方が「心配事があったらいつでも相談に乗るよ」と声を掛けてくださったことがあって。関学ならではのつながりの深さを感じることが多いです。

島村:最近、大学に呼んでいただいて、学生の前でキャリアのお話をする機会がありました。こうした機会を通して、後輩の皆さんにも国家公務員や防衛省職員という道を知ってもらえたらいいなと思っています。私や井上さんのような法学部生だと、法曹界や地方公務員を目指す人が多いのですが、そこに新たな選択肢を生み出せたらいいですね。

島村:後輩の皆さんには、とにかく様々なことにチャレンジしてもらいたいです。関学では学部にこだわらず多様な授業やプログラムに参加できますし、縦・横のつながりが強いので、やりたいことや興味のあることを言えば、周りの友人や先輩、先生方がいつでもアドバイスをしてくれます。私は法学部に所属していましたが、様々な観点から歴史を学ぶため、神学部や国際学部の授業にも積極的に参加しました。また、大学を越えて興味のある研究をされている教授のもとを訪ねたことや、様々な大学から集まった学生が安全保障について議論するシンポジウムに参加したこともありました。たくさんの挑戦をしたからこそできたつながりや経験は、国防という自分のやりたいことを見つけるきっかけになりました。自分は何が好きで、何のために頑張れるのかは、多くの経験を積んで初めてわかることだと思うので、ぜひ皆さんも興味があることに積極的に取り組んでみてください。

井上:現在の業務では、法律の趣旨や実際の現場に適用できるかどうかについて情報を集めて正確に判断しなければならない場面が多くあります。膨大な資料を集めて分析する時、法学部で培った知識や情報収集能力が活かされていると感じますね。大学で、社会で役立つ学びができるのはもちろん素晴らしいことですが、学生の皆さんには、勉学以外にもサークルや趣味といった打ち込めるものを見つけて4年間をさらに豊かにしてもらいたいです。私は学生時代、勉学にのめり込んでしまったのですが、もう少し広い視野を持って過ごせばよかったなと感じることがあります。4年間はあっという間に過ぎてしまいますので、ぜひ様々な出会いやきっかけを大切にしてほしいです。

前田:関学には、留学、ボランティア、インターンシップなどの多様なプログラムが用意されており、自分の興味・関心のある分野を深く追求することができます。学生の皆さんには、このような関学の環境を活かして、やりたいことに勇気をもって挑戦してもらいたいです。今は新型コロナウイルス感染症の影響でなかなか思うように行動に移せないことが多いでしょう。しかし、苦難を乗り越えた先を見据えて行動すれば、それは必ず自分の力となります。どんどんチャンスを利用して、学生生活を充実したものにしていってください。