Advanced K.G.

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関西学院による、

国連・国際機関等へのゲートウェイ構想詳しくはコチラ >

平成26年度文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援」採択事業。
関西学院では、日本の国家的目標「邦人国際機関職員の拡大」に貢献すべく、高校〜大学院卒業後まで充実のプログラムを用意しています。

Episode.1

国連・外交プログラム受講

世界を動かす
「一人ひとりの心」に、
きちんとアプローチ
するために。

中山 文花(法学部・2年生)

小宅 七海(総合政策学部・2年生)

世界の最前線で戦ってきた先生方に憧れ、このプログラムに応募するため関西学院大学に進学。

 国際貢献に関心を持ったのは、中学校で国際ボランティアのサークルに参加したことがきっかけでした。それからは、タイの養護施設に絵本を送るプロジェクトをしたり、模擬国連に参加したりと、私なりの世界との関わり方を探し続けてきました。実は、関西学院大学の「国連・外交プログラム」を知ったのもそんな頃。このプログラムの高校生版ともいえる「関西学院世界市民明石塾」に参加し、大学でさらに高度で実践的な学びを展開していることを知りました。私が関西学院大学に入学した理由の一つはこのプログラムに参加するため。明石教授のように実際に国連や世界で活躍された方々からその経験を直接教わることで自分の進むべき道を見つけたいと思ったのです。

国際政治の現場で理想を実現する。そのために必要なことは具体的手段、そして“自分の信念”。

 こうした国際系の学びやプログラムは、ほかの大学にもないわけではありません。しかし、学生が20人という少人数に対し先生が8人という驚くほど密度の濃い体制なら、先生方の経験や知見をとても近い距離で受け取ることができるのではと考えました。「Mastery for Service」をスクールモットーとする関西学院大学なら、単に就活用のプログラムではなく、物事の考え方や姿勢といったことまで学ぶことができるという期待があったのも事実です。

 実際にプログラムに参加してみると、UNDP(国連開発計画)、UNESCO(国連教育科学文化機関)、UNICEF(国連児童基金)、JICA(国際協力機構)、ADB(アジア開発銀行)など、先生方の経歴は非常に多彩。元国際公務員、元外交官、元駐日大使、人権の専門家といったキャリアの方もいらっしゃいます。国際貢献では、些細な施策一つ実現するにしても膨大な議論や根回し、国境を超えた人員や物資の手配などが必要となります。実際に国際貢献の現場を動かしてきた方々からリアルなお話を聞くことで、ただの理想論や上っ面ではない「理想の実現方法」を知ることができました。例えば、かつてUNICEFで東ティモール事務所の所長を務めていらっしゃった久木田純教授からは、まさにそんな「実話」をお聞きしました。2002年に独立した東ティモール民主共和国では独立後もしばらく混乱が続き、若者たちによる喧嘩や抗争が絶えませんでした。そこで当時の大統領から、UNICEFの東ティモール事務所の所長を務めていらっしゃった久木田教授に相談が持ちかけられました。しかし、罰則や制裁などでは「ずっと続いていく平和」を実現することは難しい。そう考えた久木田教授は、アジアの若者のスター、ジャッキー・チェン氏を呼ぼうと考えます。当時抗争の火種となっていた武道の流派5000人を集め、一緒に武道の型を演武。流派も思想も超えてみんなが一つの型を同じリズムで演武した最後に、ジャッキー・チェン氏はこう語りかけたそうです。「武道を暴力や争いのために使わないでほしい。武道の技は人を育て、相手を尊敬し、その力を使って仲良くするために使ってほしい」と。軍や警察官ですら止められなかった喧嘩が、その日から「ぴたっ」と止まったのだと久木田教授は教えてくれました。目的は平和。でもそのために取るべき手段はいくつもあるんですね。ジャッキー・チェン氏を呼ぶのにもさまざまな根回しや調整が必要だったそうですが、それも含めて「平和を実現する力」です。とても勉強になりました。

 でも、これはあくまで答えの一つ。取るべき手段はそのとき、その状況によって変わるでしょう。先生方からは実際の経験談を媒介にしながら、「私たちはこう考えてきた、あなたはどう考えるのか?」「自分の考えや信念を確立してこそ、ほかに貢献できる。ではあなたの考えとは?」という問いを常に投げかけて下さいました。

 元UNDP職員の村田俊一教授からは「日本は国連の常任理事国をめざそうとずっと頑張っているけれど、それが全てなのかどうか」というご意見も伺いました。もちろんすぐに答えの出る問題ではありませんが、2年生の夏休みにプログラム内の「国連セミナー(10日間)」に参加し、国連に常駐する日本政府代表部の方々とお話しさせていただいたときにも、話を鵜呑みにせず質問をすることで、議論を深めることができました。

国連・外交プログラムの講義

教員と学生の間が非常に近い距離で行われる、国連・外交プログラムの講義。互いの意見交換や議論が白熱することも。

先生たちと、仲間とみんなでこのプログラムを作り上げていく。そんな楽しさと自由さ。

 私は法学部ですが、他学部の仲間の視点や意見と触れ合えるのはとても刺激になります。ディスカッションをする機会も多いから、お互いに自分の意見を主張しつつ「何が最善か」を一緒に探していくのです。プログラムの時間以外でも授業の合間やランチのときに今日見たニュースについて語り合ったりもします。そうした関係の中から生まれたのが、東ティモールへの訪問企画です。仲間たちと計画を立て、現地とつながりのある久木田教授にお手伝いいただきながらUNICEFの東ティモール事務所やUNESCO、現地NGOなどを訪問。2002年の独立後、どのように平和を維持し、子どもや若者たちが健全に成長できる環境を生み出しているのかをこの目で見てきました。ちなみにこの時点ではあくまで私たちの自主的な活動だったのですが、2019年度からは国連・外交プログラムの正課科目に設定されるそうです。自分たちで実習科目を一つ作り上げてしまうなんてびっくりですよね。自分たちで学び方を作っていける自由さもこのプログラムの特徴だと思います。

  • タイで行われた模擬国連

    タイで行われた模擬国連(ASIA YOUTH INTERNATIONAL MODEL UNITED NATIONS 2018)に出席。

  • 各国から参加したメンバーともすっかり仲良しに

    関西学院大学の「国連・外交プログラム」で磨いた国際感覚や能力をいかんなく発揮した。各国から参加したメンバーともすっかり仲良しに。

ひっくり返った当初の考え方。まっさらにしながら、模索しながら、これからの自分と世界を作っていきたい。

 私は国連職員になりたくてこのプログラムに応募したのですが、2年近く学んだ現在では、ほかの道もあるのかなと考えるようになりました。このプログラムで出会えたのは、国際社会の最前線で自分の理想を追求し続けてきた素敵な国際人の方々。お一人おひとりをロールモデルにして学ぶことで、「世界への働きかけの前に、まずは自分を確立させることが大事なんだ」ということを学びました。私は3歳の頃からクラシックバレエをしており、実は大学進学ではなくバレエの道に進もうかと悩んだこともあります。「バレエも国際貢献も」両方追求したいと考えて関西学院大学に進学したのですが、こんな自分だからこそできる国際貢献って何だろう? 国連職員になるという道以外にも、さまざまな可能性を大学生活の残り2年間で考えていきたいと思うのです。

 東ティモールで若者たちの心にアプローチして平和を生み出した久木田教授からは「国際政治の根本は“心”。制度づくりも大事だけれど、一人ひとりの心をどう動かすかを考えることが大切」というアドバイスもいただきました。たしかに、かつてのナチスで人種差別を生み出し、たくさんの悲劇を生んだ原因や、アメリカや欧米で今話題になっている孤立主義や排外主義の背景も、根っこは“一人ひとりの心”の中にあるのかも。思えば、東ティモールで久木田教授とジャッキー・チェン氏が行った「武道と心の交流」もその一つなのでしょう。ならば、バレエで培った「人の感性や心へのアプローチ」という私の経験が国際貢献にも応用できるかもしれない。最近はそんなことを考えはじめています。バレエと国際貢献という、私だけの掛け合わせで、一人ひとりの心に直接働きかける活動を生み出せるかもしれません。

 平和は、一人ひとりの心が生み出していくもの。どう働きかけていくべきかを見つけるためにも、もっともっとたくさんの出会いを重ねていきたいです。2年次の秋に、私はタイのバンコクで開かれた「模擬国連」世界大会に参加させていただきました。まるで本当の国連のように、各国から集まった学生が自国を代表して意見をぶつけ合い、「理想の世界秩序」や課題解決についての最善を見つけようとする大会です。高校の頃にも参加したことはありましたが人の意見を聞くことで精一杯でした。今回ようやく、議論にもついていけて自分の考えも主張しながら相手の考えも取り入れるというスタンスに立てたかなと思っています。たくさんの経験談や考え抜く機会を与えてくださった先生方のおかげですね。

 もちろん、国連職員になるにしても別の道に進むにしても、卒業してすぐに実現できるわけではないでしょう。でも、先生方はみなさん「1聞けば10教えて」くれる方々。制度としても「卒業後もずっとサポート!」とうたわれていますが、そんな取り決めをしなくてもきっとこの関係は続いていくんだろうな、という自信めいたものがあります。

 世界はまだまだ変わっていくでしょうし、それに対応する「答え」も常に変わり続けていくでしょう。でも「今、そのときに求められるもの」を提言できるよう、行動できるよう、ぶれない自分を今、しっかりとここで培っていくつもりです。

■参加プログラムをCHECK!

国連・外交プログラム

将来、国連・国際機関や外交官として世界の公共の場で活躍するリーダーを養成することを目的とし、国連・外交について体系的に学ぶことができる複数分野専攻制(MS)特別プログラムです。国連や外交官としての経験が豊富な教員で構成されており、担当教員による学生へのメンタリングや、授業における国連・外交の知識習得、さらには国連ユースボランティアなどへの挑戦を通じて、実践的に学ぶことで国際的なセンスを自然に身につけられます。学部での学びに加えて、指定された32単位を修得した学生には卒業時に修了証書が授与されます。

■さらなるステップアップが可能!

大学院「国連・外交コース」

国連・国際機関職員になるには修士号、語学力、そして実務経験が必要になります。大学院「国連・外交コース」では、国連・外交プログラムで培った知識や経験を基に、研究科で専門性を磨きつつ、英語・少人数・演習スタイルで国際公共分野のコンピテンシーを磨きます。