日本も含め世界で収束に向けての取り組みが続いている新型コロナウイルス感染症の影響で後援会の皆さまも日々さまざまな対応に尽力されていることと思います。関西学院も新年度の入学式・始業式が中止となり、授業もオンラインで開始されるという、これまでに経験したことのない始まりとなりました。在校生ならびにその学びと生活をお支えくださる後援会の皆さまにも、刻々と変化する状況に対してご理解とご協力をいただき、本学の歩みをお支えいただいておりますことに心より感謝申し上げます。

関西学院は、9月28日に創立131周年を迎えましたが、1899年に公布された公教育機関での宗教教育を禁止する「文部省訓令第12号」に従うことなく、キリスト教主義を堅持した影響で在校生が激減し、その10年後には経営の危機を迎えておりました。その状況に対して、1910年にカナダ・メソヂスト教会が共同経営という形で協力してくださり、C.J.L.ベーツ宣教師らも就任され、その危機を乗り越えることができました。その10年後、ベーツ宣教師が第4代院長に就任され、1929年には大学昇格を目指して上ケ原キャンパスに移転、1932年の大学昇格認定の2年後には初代学長となり院長と兼務されました。

ベーツ院長が残された言葉の中に、上ケ原キャンパスに移転した際の“We have no fence”があります。当時のキャンパスに垣根や壁がなかったことに由来しますが、単に形状ではなく関西学院で学び、働くものが社会や世界をどのように変革していくべきかという理想の目的がここに象徴されています。

今般の状況の中で、私たちの社会や世界に存在するさまざまな格差や壁、課題が改めて浮き彫りになっています。それと共に、世界は普段私たちが意識しない多様な人々との相互関係の中で日常の生活が守られており、どこかでそれに支障がでた時には、その影響がすべての人々に及ぶことを私たちは日々実感しております。

私たちの周りの社会や世界に存在する格差や差別、分断を助長するさまざまな垣根を発見し、それを取り除く人々を世界に送り出し、それによって、すべての人々の命の平等性と尊厳が守られ、豊かな日常が維持できるよう、状況の変化に迅速に対応しながら、日々の働きをさらに進めてまいりたいと思います。

感染症収束まで、今後も皆さまの生活にも大きな影響が続きますが、日々の歩みとご健康、そしてお働きが神様によって守られますよう、お祈り申し上げます。