中野 順哉さん

中野 順哉さん

1995年文学部フランス文学科卒業
日本テレマン協会代表

「社会と対話する演奏」を掲げ、
音楽のフィールドで“Mastery for Service”を実践

学生時代は自分の哲学を作ろう

 「日本テレマン協会」という音楽団体の代表をしています。日本テレマン協会は、バロックからベートーヴェンまでを専門とする室内楽団で、1963年に大阪で生まれて以来、「大阪文化」のひとつとして地域に育まれてきました。
 私自身は、フランス文学科を卒業しています。大学時代は正直、生意気な学生だったと思います。周りの優秀な文学少年少女たちに追いつこうと1年で300冊の本を読み、翌年すっかりそれには飽きてぶらぶらしていたところを劇団に。3年生の時は苦手だと思っていた先生のゼミへ。1年にわたってエミール・ゾラの話をほぼマンツーマンで拝聴。結局それが卒論のテーマとなったわけですが…。ただ関学には生意気な学生の「考え」に対しても、発言の自由を尊重してくれる気風がありました。経験の浅い思い付きばかりだったのですが、それを吹聴しても頭ごなしに否定する先生はいなかったように思います。卒業後作家に弟子入りし、その後文筆と音楽プロデュースという「文化」の世界に身を投じましたが、思考の背景には常に当時築いた「哲学」が生きています。

芸術の力で、社会に貢献したい

 協会創立50周年の2013年に、私は新たなオピニオンをうち出しました。それは、「個々人の想像力に幅がなくなりつつある。それをこころの問題として捉えなおすべきでは。芸術の力で想像力を解放し、豊かな将来をイメージできる人口を少しでも増やしたい」というものです。そこで普段コンサートに行かない人に、2ヶ月間街角で生の演奏をぶつけてみました。その会場のひとつに関学があったのです。その折恩師の一人と再会。私の考えを深く理解してくださり包括協定が実現。今年度からは新しい授業を開講し、具体的なソリューションを学生さんと考えていきます。一卒業生の提案に耳を傾け、それを形にしてくださった母校にこころから感謝しています。これからも、文化のフィールドから“Mastery for Service”を実践していきたいと思います。

関学に通ってよかったことは
いつ戻っても卒業生をあたたかく迎え入れてくれること。自分の想いを具現化してくれるところでしょうか。
学生時代の一番の思い出は
とにかく自由でしたね。好きなだけ本を読む時間があり、好きなだけ考える自由が与えられていました。
人生の目標は何ですか
夢をもつことが難しい世の中ですが、次世代に向けてより高次元の夢を呼びかけていきたいですね。
関学生へメッセージを
自分の「哲学」を作るのは大学時代しかありません。そして、社会に出たら「決断」と「実行」の連続です。
これからの関学に期待することは
関学はずっと「関学」であってほしい。自由にものを考えられ、発信できる人材を育ててください。