対談 私たちの、関西学院

関西学院は、「人間」を学ぶ場所だと思います。(田淵)

本音で話せる仲間がいるそれが関西学院

今日は、後援会長として保護者のみなさんに「わが子の母校」について深く知っていただき誇りに思っていただけたらと、院長に就任された田淵先生にメッセージをいただきたく対談をお願いしました。入学式での挨拶で、「We are Kwansei」「私たちだけの関西学院」とおっしゃったのが印象的でした。

ありがとうございます。関西学院は、127年前の明治22年、今の王子動物園の場所で19人の生徒と5人の先生でスタートしました。それが今や幼稚園から大学院、そしてインターナショナルスクールまでを擁す、約2万8000人が学ぶ大きな学校となりました。開校当時は、全員が寮生活で小さなコミュニティーの中で関西学院としての一体感を持ち、互いに密な関係性を築いていました。127年という年月が経ち、どんなに学校の規模が大きくなっても「建前ではなく血の通ったコミュニケーションができる、そしてそんな仲間がいる」というのが関西学院。学生ひとりひとりが「One of them」ではなく、関西学院の一員なんだという気持ちを持って学んでほしいですね。どんなに発展しようとも「関西学院らしさ」を大切にしていきたいという想いで、入学式で「We are Kwansei」と言い始めたんです。

“Mastery for Service”という「関西学院らしさ」を伝えたい

なるほど。先生は「関西学院らしさ」とは、関西学院のどんなところだと思われますか。

それはどの私学にとっても大きな問いですね。世の中にはランキングというものが多く存在します。大学についても「就職率ランキング」や「人事の評価ランキング」など、たくさんあります。そんな中でランキングなどにとらわれない「関西学院しかできないことは?」と考えると、建学の精神である“Mastery for Service”なんです。社会に貢献する力をつけるために自分を鍛える。つまり、「あなたが生きていることが社会をよりよくするということなんですよ」ということです。

確かに関西学院は「どれだけ社会に貢献できているか」が評価されている学校だと思います。関西学院に行けば輝ける、人間的に成長できるという想いで人が集まる学校ですね。戦前の政治家で関西学院OBの永井柳太郎さんは「私は早稲田で日本を知り、オックスフォードで世界を知り、関西学院で人間を知った」と言ったそうです。また、聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生の人格形成の礎は関西学院中学部だったと聞いて、実に関西学院らしいなと。

関西学院の教育は、キリスト教主義教育を建学の精神とした全人教育で、スクールモットーである“Mastery for Service”を知らずに卒業する人はいません。“Mastery for Service”はあまりキリスト教を前面から意識せずに素直に受け止められる言葉です。関西学院で過ごすうちにいつのまにか体に浸透して、「社会をよくしよう」と思っていなくても、自然とそうなるというか。

“Mastery for Service”は校歌にも出てきますね。私も関西学院の卒業生ですが、社会に出て「関西学院の学生は校歌が歌える」と驚かれたことがあります。

学生は、校歌を経験の中で歌っています。試合に勝って喜ぶ校歌、負けて悔しい校歌。校歌を歌える学生は、学生生活の中で「何かを経験してきた」と言えるかもしれません。

みんなで、「We are Kwansei」と言いましょう。(元木)

学生は「心の支えとなるもの」をここでつかんでいる

関西学院のキャンパスは、卒業生や学生たちを惹きつけますね。

関西学院のキャンパスの美しさについては、後援会通信でも過去2回にわたってお話してきましたが、やはり学生にとってキャンパスは特別な想いがあるようです。東京で働いていた卒業生が仕事の厳しさに心が折れそうになって夜行バスに飛び乗り、朝一番にキャンパスに戻ってきて時計台の前で「がんばるぞ!」と叫び、気持ちを整えてまた東京に帰っていった、というようなエピソードはたくさんあります。学生は、知らず知らずのうちに関西学院で「心の支えとなるもの」をつかんでいるんですね。

確かに、キャンパスが発信するエネルギーは何とも言えないものがあります。美しさも圧倒的です。スイッチが入った卒業生の気持ちはよくわかりますね。私も毎年正月には正門に来て、初日の出ならぬ時計台を拝んでいます。関西学院のキャンパスは自分のパワースポットというか、いつまでも変わらない「居場所」のような感覚ですね。

「その人の居場所をつくる」というのが、ベーツ先生と建築家ヴォーリズの想いでもあるんです。ひとりで入学してきた学生に「ここがあなたの居場所ですよ」と感じてほしい。それを表現するかのように、ヴォーリズ建築には空間や建物の角など「たたずむ場所」が多くあるんです。時計台のドアの両側にも小さな空間があって、学生たちの人気スポットになっています。

学生たちが集う中央芝生もそうですね。

学生たちは毎日をキャンパスで過ごすことで“Mastery for Service”を体感しているんですね。

学生も保護者も、関西学院の一員として共に歩もう!

関西学院は今後どこへ向かっていくのでしょう。

今、関西学院は岐路に立たされていると思います。先にも申し上げたように関西学院は大きく発展してきました。そんな中で、どうやってランバス先生やベーツ先生の想いを全学に染み込ませていくか。それを考えるのが院長の仕事です。そして、関西学院は知っている人だけに影響を与えるローカルブランドをめざすべきか、誰もが知る学校をめざすべきなのかという選択も迫られています。私は、「関西学院らしさ」を追求しつつも、日本中の誰でも知っているような学校をめざすべきだと思いますね。そのためには、「We are Kwansei」と言い続けたい。創立10周年目に作られたカレッジソングも「Old Kwansei」ですし、空の翼の歌詞にも「Kwansei Gakuin」と歌われています。昔は「関学」でなく「Kwansei」がニックネームだったんですね。誰もが関西学院の一員なんだという想いを込めて、「We are Kwansei」と言いましょう。

それはいいですね。保護者のみなさんも「We are Kwansei」を合い言葉に、子どもたちに優しく寄り添い、しっかり支え、共に楽しんでほしいですね。