Advanced K.G.

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Episode.2

社会探究実践演習
(篠山・今田コミュニティ・ガバナンスFW)

地域の未来を変える
アイデアを。

大井 里菜(法学部・2年生)

大井 里菜(法学部・2年生)

些細なことに疑問を持つ。
その視点が、課題を解決する発想に結びつく。

 「社会探究実践演習」の授業の目的は、地域を深く理解して課題や魅力を抽出し、今後の地域のあり方を考えることです。私は地元を活性化させる仕事に就くためのヒントを得たいと思い、参加しました。
 授業のフィールドは兵庫県篠山市今田地区。自然が豊かで、温泉や城跡などの名所や黒枝豆などの特産物で知られている地域です。地元の方に実際にインタビューしてみると、ここ数年は農業の担い手が減少し、耕作地も減少しつつあるとか。そこで農業の衰退という課題は見つかったものの、どう解決したらいいのか。自分なりに考えたり、農家の方にさまざまな話をうかがいましたが、一向に策が浮かびません。結局、調査の進捗が遅れているという焦りから、ある農家の方の意見を参考に「農家の組合制度の変更」を解決策とすることに。これは、農家のグループのリーダーが負担している業務を分担すれば、農家同士の結束力が高まり、活性化につながるのではという案です。しかし、本当にこれで課題を解決できるか自信がなく、きちんと地域の人たちを納得させられるか、この案で今田地区の未来は変わるのか…モヤモヤが残ったまま履修が終わってしまいました。

今田地区の現状を知るために、地域の人たちにインタビュー。

今田地区の現状を知るために、地域の人たちにインタビュー。聞きたい答えを引き出せず、質問することの難しさに直面した。

 そんな中、次の学期にまた「社会探究実践演習」を履修できると知り迷わずエントリー。次は自分が納得でき、地域の人たちにとって本当にためになる解決策を提案しよう。そう決意し、前回のノートを見返していると、自分の意見が乏しいことに気づきました。私は他人の意見を何の疑問ももたず、鵜呑みしていただけ。だから自分でも納得できない提案になってしまったのかもしれません。そこで再び現地に赴いて調査を行ったところ、今田地区には若い人がとても少ないと感じました。篠山市の知名度は低くはないはず。農業に興味のある人もいるはずなのに、どうして人が来ないのか。
 疑問を解決するために、数年前に今田地区に移住し、現在農業を営まれている方にお会いしました。彼は以前、別の地域で農業をしていて、今田地区でも作物を育てようとしたけどなかなか上手くいかなかったそうです。実は、土地によって気候や土・水の性質などが異なるため、育て方を変える必要があったとか。最初は一人で途方に暮れたそうですが、近所の方や農家の方のアドバイスのおかげで今は順調に作物を育てられています。私にとって、その話は大きな発見でした。農業は個人の生業だと思っていましたが、そうではなく地域の人たち全員の細やかなフォローの上で成り立っている“地域の生業”なのです。地域で農業を営むということはその地域に根付くということ。まずは就農者を受け入れる側の体制をつくることが必要だと、地域の方に説明すると今度はしっかり納得していただけました。今、私は最初のステップとして地域の人たちが農業への意識を向けてもらえるような、農業に関するパンフレットを作成中。少しずつですが、地域の未来を変えられると信じてできることをしています。

何度も畑に足を運び、農業の知識を吸収。

何度も畑に足を運び、農業の知識を吸収。ノートに畑や作物のイラストを描き、理解を深めていった。

 この授業を通し、どんな些細なことでもいいから疑問を持つことが大切だと気づくことができました。それが新しい視野をもたらせてくれるし、人を納得させられるアイデアに結びつく。将来はここでの経験を生かし、地域を救うアイデアをどんどん出していきたいです。

■参加プログラムをCHECK!

社会探究実践演習

地域社会に接し、地域社会を「理解」すれば、必ずさまざまな課題に気づきます。その気づきを手がかりに、自らの立ち位置を確認し、地域の人たちとのコミュニケーションを通じて自ら問題を設定し、地域社会の課題解決に関わりを持とうとチャレンジする科目です。授業は週末に行う現地フィールドワークと、その事前準備(理論的検討、現状分析など)で構成。「丹波焼き」や黒豆で有名な今田(篠山市)と、「竹田城跡」を抱く朝来市の竹田城下町がフィールドです。