創立126周年を迎え、
関西学院大学は
世界水準の大学として
大きく飛躍します

現在、日本の教育は大きな岐路に立たされていると考えます。初等教育、中等教育から高等教育に至るまで、大きな転換期にあるのだと思います。教育の目的は、基本的には、社会や世界にとって有為な人物を育てることではないでしょうか。

いま、その社会が大きく変わりつつあります。

一つは、グローバル化と経済競争の激化です。1991年にソビエト社会主義連邦が崩壊し冷戦が終結して、東欧諸国が西側に組み込まれ巨大な世界市場が誕生しました。さらに、ICT技術の発達に伴い、情報が瞬時に世界を駆け巡る状況が生まれました。これらの要因によってグローバル化が進み、世界市場を巡っての大競争時代が到来しました。

もう一つは、世界的な大学進学率の上昇です。OECD諸国での大学進学率は、2011年度のデータでは平均60%となっています。このことがもたらすのは、言うまでもなく、学力の低下です。同世代の半数以上の子供が大学に行くとなると、中等教育や高等教育の在り方が変わらざるを得なくなります。これが、現在の先進国の状況です。

このような状況を受けて、政府も、教育再生実行会議などにおいて、グローバル化や高大接続の推進などの提言を行っています。グローバル化に関して言えば、本学は、昨年3月に高等部がスーパーグローバルハイスクール(以下、SGH)に、9月に大学がスーパーグローバルユニバーシティ(以下、SGU)にそれぞれ採択されました。SGHでの必要条件は、いわゆる課題研究であり、他方、SGUの狙いは二つあり、一つは大学生の送り出しと受け入れ、もう一つは大学改革、いわば、大学自体のグローバル化にあります。

実は、高校、大学のグローバル化と入試改革を含む高大接続の推進は不可分の関係にあります。上で述べた大学進学率の上昇と相まって、先進国での大学生の学力の低下やバラツキが問題となり、大学で身につけるベき能力・資質を再考する動きがEUを中心に広がりました。この中で、これまでの知識や技術の伝達だけではなく、「考える力」や社会に出た後も「学び続ける能力」の涵養に、大学教育の重点が移ってきたことが見出されます。これらの動きが、SGHでの課題研究の重視や、一点刻みで採点されるセンター試験の見直しに繋がっていると考えられます。まさに、激動の世界の中で、学生が社会に出たときに必要とされる世界水準の能力・資質を養うことが求められています。

関西学院では、高等部での読書科の設置など、考える力を養う教育が様々な形で行われています。一貫教育の長所を生かし、自由な雰囲気の中で、関西学院大学を卒業した学生が世界に貢献できる能力・資質を養っていけるよう、今後とも不断の努力をしていく所存でございます。どうぞ、保護者の皆様には、これまで以上のご支援をお願いする次第です。