後援会の皆さまのご支援とご理解によって、関西学院の歩みがより豊かなものになっていますことを心から感謝いたします。  毎朝通勤の電車のなかで、今では当たり前になってしまった光景ですが、かなりの人たちがスマホを手にし、両耳にはイヤホンをさして、画面に夢中です。これだけたくさんの人にスマホを持たせることに成功したというビジネスのすごさを感じますし、何を隠そう、私もそのひとりです。そして関西学院の学生、生徒たちの多くもそうですね。

院長を仰せつかって半年、私は同時に初等部長、高中部長、千里国際キャンパス(千里国際中・高等部、大阪インターナショナルスクール)統轄にも任じられていますので、できるだけ週一回はそれぞれの学校を訪ね、朝は児童や生徒たちに「おはよう」と声をかけています。でも、そういういわばオフィシャルなところではなく、電車のなかで、関西学院の児童や生徒、そして学生たちに、「こんにちは」「学校はどうですか」「今日は学校でなにをしますか」と声をかけてみたらどうだろうか。知らない人から声をかけられたら、その子どもはびっくりしてしまうのかもしれないのでやめておこう、というところなのですが、スマホ・イヤホンの生徒となると、「私には声をかけないで!」「聞くつもりもありません」、と言われているようにさえ見えます。

でも、私は同じ関西学院の仲間のひとりひとりとして、彼ら、彼女たちにとって関西学院の今はどうなのか、ということを聞いてみたいと思うのです。そんな私の勝手な思いに付き合わされるのは迷惑、まっぴらだと多くの生徒たちは思うでしょう。ですが、どこかで同じ関西学院としてのつながりが生まれないかなと願い続けています。

そこで、せめて、とくに制服を着ている児童や生徒とすれちがうときには、こちらから「おはよう」と声をかけています。すれちがうだけですから、その挨拶は一瞬です。そこから長々と私に付き合わされることもありません。でもその数秒のうちに、ともに関西学院のひとりだからこそ挨拶しあう、関西学院というのはそういう学校だということを知ってもらえればと思うのです。

ベーツ先生が上ケ原キャンパスを拓かれたときに、“We have no fence.” という言葉を残されました。このfenceが単数形なのか複数形なのか、実は議論があります。学校のキャンパスを意味するのならフェンスはたくさんありますね。でも単数形でも面白い、私たちお互いの間に「垣根」はありませんよ、私たちは同じ仲間ですよという意味も生まれてくるでしょう。

もし、突然すれちがいざまに私が「こんにちは」「おはようございます」と声をかけても、びっくりしたり、逃げ出したりしないでください。ぜひそのときにWe are Kwansei !であることをともに感じあえればと願っています。