Messageご挨拶

関西学院 院長 中道 基夫

保護者の皆さま、後援会活動にご尽力いただいています皆さま、関西学院の教育にご賛同いただき、ご協力、ご支援くださっていることを心より感謝いたします。
新型コロナウイルス感染症も第5類に分類され、様々な制限が取り除かれ、4年前の学校の姿を取り戻しつつあります。しかし、この3年間のパンデミックが、今後、子どもたちのからだや心、生活にどのような変化をもたらせるのかを注視していかなければならないと思っています。
英語に“It takes a village to raise a child”という言葉があります。直訳すると「子どもを育てるには村が必要である」となりますが、子育てに関して、親や家族だけでなく、周囲のコミュニティや社会全体の協力が必要であるという意味を表しています。
しかしながら、現代ではそういう「村」、コミュニティの繋がりが弱くなっています。近所づきあいもあまりありませんし、となりに住んでいる人の名前もよく知らないことがあります。その一方でインターネットの中では世界中の人と繋がり、瞬時に情報を交換したり、顔を見ながら話をすることができます。隣家の調理のにおいは遮断されている一方で、見知らぬ人には自分が今どこにいて、何を食べ、何をしているのかというプライベートなことまで教え合っています。
こうしたインターネット上のコミュニティが持つ可能性は有効に用いるべきですが、実際の子育てはおしゃれな写真や映像で物語れるものではありません。各家庭が孤立することなく、実際に人と人とが出会い、助け合うことができるコミュニティ、子どもたちが様々な大人=生き方と出会うことができるコミュニティが必要だと感じています。三万人におよぶ園児・児童・生徒・学生が集う関西学院は、ひとつの“village”(村、コミュニティ)であるといえます。幼稚園から大学までの学校、教職員、さらに同窓生までが協力して子どもたちの育ちに携わっています。子どもたちが関西学院というコミュニティに出会ってくれることを願っています。そのために、関西学院もさらに有機的な繋がりを持つ子育ちの場になっていくよう尽力してまいります。

関西学院 院長 舟木 讓

関西学院後援会 会長 加地 正和

保護者の皆さま、平素より関西学院後援会の活動にご理解ご協力を賜りまして誠にありがとうございます。
関西学院後援会は、関西学院大学をはじめ、高等部、中学部、初等部、聖和短期大学(2024年4月より関西学院短期大学に名称変更)、千里国際中等部・高等部からなる約27,000名の学生保護者で構成されており、「学院の教育目的達成のため保護者の立場から後援をなす」という目的で発足し、学生への直接的な支援、またお子様を見守る保護者の方への情報発信の支援という形で活動しております。
後援会活動で特に意識することは、学生ならびに保護者の皆様をできるだけ平等に支援したいということです。これは金銭を平等にわけるということではなく、家庭環境や住む地域から生じる心の不安を解消できるような支援をし、安心してチャレンジできる平等な環境を整えるための支援をしたいという意味です。その為に様々な活動援助や地方10数か所での保護者交流会を開催させていただいております。後援会も関西学院のスクールモットーであるMastery for Serviceを貫きたいという思いです。そしてこのような活動を通して、学生・生徒・児童、保護者、学校がより成長発展し、地域に貢献し、また世界に貢献できることが最大の目標であると考えております。
子どもたちに目を向けますと、昨年まで3年間にわたり新型コロナウイルスという我々大人も経験したことがない世界で、楽しみにしていた学校行事の中止を余儀なくされ、友人との会話は常にマスク越しという制限された毎日の中でも、自ら考え知恵を出し合い、ひたすら前を向いて行動する姿には感銘を受けました。「苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生む」(ローマの信徒への手紙5章3-4節)という有名な聖書の言葉がありますが、キリスト教主義教育や礼拝を通じて学生一人ひとりがまさにこれを実践されていたように思います。制限のなくなったいま、いよいよ希望に向かって自由に羽ばたいていかれることを願うばかりです。そして後援会事業として年度末に各学校で行われる後援会表彰式において、輝かしい成果をあげられた子どもたちを一人でも多く表彰できることを楽しみにしております。
最後に関西学院に集う皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

関西学院後援会 会長 加地 正和